もみじの研究ノート

駅名標の奥深い世界へようこそ。

JR北海道の駅名標 3 岩苫線の駅名標

今回紹介するのは、岩苫線の駅名標です。なんかネーミングセンスがなくて申し訳ないのですが、これ以外の名前が思いつかないので、これでいきます()

 

岩苫線とは

室蘭本線 岩見沢〜苫小牧間の通称として、一部の間で呼ばれている名前です。この区間は現在室蘭本線内で唯一、特急列車等の優等列車が走っていない区間です。かつて千歳線のない時代は石炭等を輸送する重要な路線でしたが、現在ではJRが単独で維持することが困難な、極端に利用の少ない路線となっています。

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岩見沢〜苫小牧間を走るキハ40系のサボ(2015年4月)

普通列車の車両は、キハ40が主力です。ちなみに、苫小牧〜追分間の区間列車で日高本線用車両の間合い運用があり、その際過去にキハ160などが追分まで入線したようです。

2015年1月に、日高本線の高波の線路被害が発生。その頃(4月頃?)からは日高色の車両が頻繁に乗り入れるようになり、2019年4月の石勝線夕張支線廃止後からは、キハ150が運用に入るようになりました。

あまり噂はされていませんが、2020年3月のダイヤ改正後、これまで函館本線山線の運用に就いていたキハ150が苫小牧運転所に転属となれば、この路線にキハ40が入線する機会は減る、またはなくなることが予想されます。個人的にはなくなってしまう可能性も考えていて、今後が気になる路線です。

 

JR北海道駅名標 3 岩苫線の駅名標

なぜか車両の説明に時間をかけてしまいましたが・・・本題に戻ります。

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室蘭本線 安平駅(2015年4月)

これが、岩苫線の多くの駅に設置されている駅名標です。

「文字がでかい!」というのが最大の特徴です。

私が岩苫線でこの駅名標を最初に確認したのは、2015年4月です。他サイトなどで確認すると、2014年4月時点で設置が確認されています。また、石北線旧白滝駅には「平成25年製造」のシールが貼られています。他の駅も同時期に設置されたと思われます。

旧白滝駅、下白滝の駅名標は「株式会社 保安サプライ」によって製作されています。他駅も同様の可能性が高いです。今度このタイプの駅名標の裏面を確認してみたいですね。

フォントは新ゴBとHelvetica、基本的なデザインは開業直後からの標準的なデザインとほぼ同じとなっていますが、レイアウトが異なります。

個人的には、この駅名標はバランスが悪くてあまり好きではありません。2015年に初めて確認した時も、「なんだこの文字の大きさは!?」とびっくりしました。例外的に、かつて設置されていた白滝シリーズの駅は、駅名が長かったことからか、あまりこのバランスの悪さは気にならないような印象を受けます。

 

室蘭本線の早来、安平、三川、古山、日高本線の清畠、石北本線の瀬戸瀬、愛し野、端野、釧網本線の桂台に設置されています。かつては石北本線の上白滝、旧白滝、下白滝にも設置されていました。比較的設置エリアがまとまっているほうです。

・・・「岩苫線」の駅名標という題名にしましたが、こうして一覧にしてみると、石北本線の方が設置数が多いんですね。初めて知りました()

 

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石北本線 端野駅(2019年8月)

ちなみにこのタイプの駅名標は、瀬戸瀬の一部、端野、桂台以外の全ての駅で、駅名標の枠ごと新しいものに交換されています。旭川支社管内の上白滝、下白滝、瀬戸瀬、端野の各駅では駅名標上部の照明の更新もセットで行われています。詳細は別の機会に書きますが、旭川支社独特の照明カバーが設置されています。

現在地域にもよりますが、駅名標上部の照明は縮小傾向が続いています。1日2本しか列車が停まらない上白滝でも照明設備をつけていたということですから、すごいことですね。

 

岩苫線と駅名標

岩苫線は、私が「新旧の駅名標」を見たことがある数少ない路線です。札幌近郊では2007年ごろに駅名標の交換が進み、私が本格的に駅名標に興味を持った頃にはもう変わってしまいました。今回取り上げた駅名標のように、複数の駅で一度に駅名標が更新される、という光景はあまり見たことがありません。

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室蘭本線 栗山駅(2019年1月)

ところで、岩苫線の旧駅名標はアクリルカバーに覆われており、汚いと言わざるを得ないような見た目をしています。ネット上の写真を見ると、2000年ごろにはすでに汚れている駅も多いです。なぜこのような汚れるカバーを取り付けたのか、そしてなぜこのカバーを外したり、交換したりしないのかは疑問です。もちろんお金の問題もあると思いますが、板の材質は他路線と変わらないはずなので、外しても問題はないはずです。本当に汚いので外してほしいのですが・・・

栗山〜志文間の各駅では2020年現在もこの汚い駅名標が残っており、いつ更新されるかは気になるところです。てっきり2015年に初めて確認した時は、これらの駅でも更新されると思っていたのですが、今も残っているのはちょっとした驚きです。ちなみに栗丘駅には、使用を停止したホームにも駅名標がそのまま残っており、雑草に埋もれる駅名標を見ることができます。以前はホーロー駅名標もあったらしいのですが、現在ではどこかへいってしまっています。

そして、岩苫線の駅名標といえば、遠浅のみ「標準デザイン」の駅名標であることも謎の一つです。なぜこの一駅だけ、交換時期が早かったのでしょう・・・? 旧駅名標を調べてみると、これまた遠浅駅だけ、偽ゴナかつアクリルカバーなしの、他とは違う駅名標。謎は深まるばかりです。