もみじの研究ノート

駅名標の奥深い世界へようこそ。

抜海駅廃止に関する市議会の議論 3

その後の抜海駅をめぐる議論

宗谷本線、JR抜海駅の存廃をめぐる議論は2020年9月現在も続いています。「極端に利用の少ない駅」を巡って、過去にこれだけ方向性がまとまらない存廃議論は例がないと思われ、議論の行方が注目されます。

なお、7月時点での議論はこちらをご覧ください。

 

市議会の議論

youtu.be

上の動画をもとに文字起こしを行いました。赤字は私が重要だと思ったところに勝手に引いたものです。誤字脱字等が多いと思いますが、Twitter上での議論などにお役立てください。

千葉一幸議員

JR抜海駅の存廃について質問いたします。6月定例会にて本市はJR抜海駅の現在の利用状況では、地域公共交通の役割を満足に果たしていない、別の交通手段への転換が望ましいと廃止方針を示されました。私は抜海・クトネベツ両町内会が駅の存続を求めていること、市民の目線に立ち、街の魅力や強みを生かすことの必要性を訴えました。本市は住民自治の観点から協議を続けることとし、本市主催の地域との意見交換会728日に抜海町内会で開催、812日にクトネベツ町内会で開催、どちらの意見交換会にも参加しましたが、両町内会は本紙提案に賛成できないとの考えであり、今現在も存続を求めていることに変わりはありません。意見交換会の際、本市は地域の合意なしに駅を廃止することはできない、思いをしっかり受け止めたい、両町内会の意見等を踏まえ、できるだけ早く存廃の結論を出したいと地域に示されました。関係者からは地域の合意なしに廃止しないとの考えに希望を抱いたとの声であります。

722日には、美深町3月には廃止方針だった、JR宗谷線恩根内駅を地域住民の要望で方針転換をし、町の負担で存続させる方針を明らかにしています。両町内会との意見交換会によって本市提案、別の交通手段への転換は地域の合意を得られないことが明らかになったこと、JR抜海駅存続が求められていることが明白になりました。

地域の合意なしに廃止はしない。両町内の意見を踏まえできるだけ早く存廃の結論を出すと地域に示したJR抜海駅について市長の考えを伺います。

両町内会との意見交換会の中で本市は観光を含めた駅の有効活用は、担当部署同士の協議では、具体的な取り組みを示す状況にないと研究していました。このたび市民有志がJR抜海駅を活用した、宗谷線に乗って抜海駅弁を食べよう会を企画。関係者によると既に定員は満たしているそうです。両町内会は観光客や市民に参加してもらい、抜海駅の魅力を知ってもらい存続への理解を得たいとの報道であります。稚内の貴重な観光資源、平日に稚内駅から抜海駅をJR利用し往復をしてきましたが、行きも帰りも1両列車に20人以上の方が乗っており、大半は観光客の様相であります。利尻富士が望めるスポットでは多くの方がカメラ片手に撮影に励む光景で、抜海駅での滞在時間1時間6分にはバイクや車での来訪者があり、町内外駅内外にて写真撮影、ライダーの方からはツーリング雑誌に抜海駅が最北の無人木造駅舎と紹介されていることもあり、多くの人が来ることにつながっているのでは、と駅の魅力を話されていました。稚内駅直前からは列車内から到着までの動画撮影、到着してからもホームで写真撮影をしている光景からは、町の観光資源としての鉄路の存在意義は非常に大きなものを感じました。本市は927日に普通列車で行く上勇知満喫ツアー、申込開始から30分で定員と報道にありました。JR宗谷線の維持存続に向けた利用促進策の一環としての取り組みでありますが、市民にとっては非常に関心の高いことは即日定員にて明らかと思います。今後も様々な JR利用促進策を企画検討し、開催する際は周知していくとしていますが、駅を活用した観光と地域交流による利用促進策に対する本市の考えを伺います。

稚内市

次にJR抜海駅の存廃というご質問です。JR北海道の厳しい経営環境につきましては今更申し上げるまでもございませんし、現在のコロナ禍にあってその性質はこれまで以上に厳しいと受け止めているところでありますが、承知の通りJR北海道は平成28年の10路線13線区をJR単独では維持困難との表明以降、経営改善に向けてさまざまな対策を進めているところであります。今回の件につきましても平成30年に国がJR側に求めた経営改善への取り組みの一環として位置づけられ、乗車人員が過去5年間で1日平均3人以下の極端に利用が少ない無人駅を廃止するものというもので、全道の対象線区のうち、JR宗谷線では29の駅の廃止方針を示すとともに、地元として駅を維持したい場合は所在自治体による 維持管理費の負担を求めています。抜海駅はJR北海道の調査によると、乗車人員は過去5年間1日平均の利用者数が1.4人と極端に利用の少ない無人駅に該当し今回廃止対象となったものと受け止めております。

特に抜海駅の場合は、駅の所在地が抜海市街地から2キロも離れていることが利用につながらない大きな要因と考えていますが、地域住民の方にとっては駅そのものが地域のシンボルという考え方が強く、利用するしないにかかわらず駅を廃止することには反対という立場に何ら変わりはなく今日に至っているところであります。本市としては地域も認めている利用の不便さを考えれば、少ないとはいえ、通学や通勤通院などにあたっては別の交通手段を考えては、と提案してきたところですが、受け止め方に大きな差異がありますし、だからといって地域のみに責任を押し付ける考えもありませんので、今後も一緒に考えたい気持ちに変わりはありません。またはJR北海道では例年12月には次の年のダイヤ改正を公表することから、それらの準備作業を考えるといつまでも結論を先延ばしするわけにも参りません。今も説明した通り、地域側の意見をそのまま受け入れるとしたら、市が駅の維持管理費を負担しなければなりませんので、このままの形で残すことには慎重に考えざるを得ないというのが、これまでの市の姿勢でしたが、この間に地域側から駅の利用や財源捻出に積極的に取り組みたいという考えが示されているとのことでもありますので、解決のためにはそれらの状況を見極めるなど、もう少し時間をかけざるを得ないと考えていますが、お尋ねのお話の合意の件であります。私の理解は、合意がなければ何も決められないということではなく、できるだけ双方が納得し合いたいという趣旨だとそのように受け止めております。JR北海道には当然これらの地域の事情を伝えますし、様々なご意見があることは十分承知しておりますが、駅の本来の使命は一定の数のJR利用者があってこそ果たせるものという考えに変わりはございません。

次に今後のJR宗谷線の利用促進策に対する本市の考え方というお尋ねですが、JR宗谷線そのものを将来にわたり維持していくためには利用者の増加が不可欠でありますが、JR北海道からは利用が少なく、鉄道持続的に維持する仕組みの構築が必要な線区と捉えられており、それでそれを克服するためにJR北海道が昨年度策定したアクションプランに基づいて、この2年間関係者が一丸となって、JR北海道の経営改善を含め線区の維持存続に強い危機感を持ちながら取り組んできたところであります。JR北海道では今年北海道鉄道140年の節目の年にあたり、観光列車としては28年ぶりにイベントなども行える多目的の特急型車両はまなすを新しく製作し、来月17日から営業運転を開始するということであります。この車両は旅を楽しむ観光客にとってラウンジや掘りごたつ式の個室など魅力あふれる車両となっており、特急宗谷などの車両としても運行が予定されているということでありますので、本市としてもこの機会を逃すことなく地域が持つ観光の魅力を沿線自治体とともに、JR北海道や旅行会社へ旅行商品の企画などの集客に結びつく提案をしていきたいというふうに考えております。またJR宗谷線に興味や関心を持っていただくために、これまでも取り組んできた普通列車を利用した小規模ツアーや写真コンテストなどの様々な取り組みにより自らの地域の鉄道を守り育てていこうというマイレール意識の醸成にも引き続き取り組んでまいります。利用客の増加にはやはり移動の手段としてJRを選択していただくことが重要なことであり、鉄道の特性である定時性あるいは大量輸送、さらには飛行機にはない目的の駅に直接乗り入れることができる優位性などを利用者に伝えることに加え、従来の旅客だけの利用促進という発想ではなく、列車の幅広い活用を提案するなどJR北海道の経営改善にもつながるような利用促進の取り組みを進めてまいります。

千葉一幸議員

4項目目JR抜海駅の存廃について再質問いたします。これはもうあの市長ご存知だとは思いますが、国土交通省が示している地域公共交通に求められる役割は、地域住民の移動手段の確保だけではなくて、観光来訪者の利便性・回遊性の向上による人の交流を活性化させることや、外出機会の増加によるにぎわい創出、歩いて暮らせる町づくりによる健康増進などを求められている役割としています。本市は地域公共交通の役割はそこに住む皆さんの移動の利便性を高めることであり、別の交通手段を提案している現状ではありますが、まああのちょっと繰り返しになりますけれども抜海・クトネベツ両町内会としては鉄路が存続している以上、別の交通手段は受け入れられないとの認識であります。現在のJR抜海駅の利用状況では役割を満足に果たしていないという認識を示していますが、本当にそうなのでしょうか。あの観光などさまざまな分野で大きな効果をもたらすよう、自治体が中心となって地域戦略の一環として取り組む必要があると、解決の方向性を国が示しています。地域公共交通の役割、地域戦略の一環としてJR抜海駅を存続させることは地域の足の確保、観光による人の交流、健康増進などに地域にとっても効果をもたらすものと私は考えますが、存続に対する市長の考えを改めて伺います。

稚内市

お答えをさせていただきます。あの今国交省の通達か通知かは分かりませんけれども、そのようなお話をいただきました。先ほどの答弁でもお話しさせていただいているように、私もJRの利用者の数だけが全てではあのすべてだと言ってません、で先ほども言ったようにさまざまな意見があるということも認識しております。したがって今お話をされていた項目それぞれは大事な話でありますが、今回はまさにJR北海道が経営を維持するために様々な考えあの考えを整理した中でてきた案件であって、我々としてはお話の「地域の地域住民の交流が云々」というような話を否定するつもりは全くありませんけれども、そういう意味で経費の問題としてどうなんだということをお話をさせていただいております。あの何度も言うように必ずしもこっちに加担してあっちに加担してという話ではなくて、いろんなご意見がある中で持ってどの道を選択するかそれが私の与えられた使命だという場合に思っておりますから、今いただいた意見も参考にしながらしっかりと判断をしていきたいと。以上です。

千葉一幸議員

それではあの答弁の中にありました、地域のみに責任を押し付ける考えもないということだったんですが、一方でこの地域側から、駅の利用や財源捻出に積極的に取り組みたいと考えが示されている状況を見極めるため、時間をかけざるを得ないという答弁でありました。地域が駅の維持管理費用、例えばクラウドファンディングなどで取り組みをしたとして、存廃の判断は本市にあるわけです。言うなれば資金集まれば存続するということなのか、そのような考えこそが地域に責任を押し付けることになると思わないのか、その点について市長の考えをお聞かせください。

稚内市

お答えをさせていただきますけれども、先ほどの答弁の中で、それらの状況を見極めたいというお話をしてて、金を出したからいいとか悪いとかっていう判断にさせるという話ではございません。以上です。

千葉一幸議員

ちょっとあのーわかりにくいところなんですがそのそれらの状況を見極めるっていうのは、駅の利活用そしてその資金の財源の捻出っていうことなんですけど、具体的に市長の頭の中ではどういうようなことなのか、答弁ではちょっと盛り込みないものですから、あのそこをお聞かせいただきたいと思います

稚内市

お答えさせていただきます、あの資金の話というのはまさにあの新聞にも載っておりましたけれども、クラウドファンディングでもって資金を調達するという考え方を持っているという話を伺っておりますので、そのことであります。

千葉一幸議員

そうしますと、先ほどの答弁ではその経費の問題としてっていうような話もありました。また今クラウドファンディングの話、報道には出てたと思うんですけども、その地域がクラウドファンディング等で財源をそのもし集めることができれば、それは市としては駅を存続させるという判断になるということの認識でいいのかお聞かせください。

稚内市

お答えをさせていただきます。金の話がすべてだという具合には言っているつもりはありません。なぜそこにそのJRの駅があるのか、それをもっと利用促進させるために何ができるのか、そういう観点で持ってしっかりと捉えたいという場合にお話をしていくつもりでありますので。

千葉一幸議員

それではあの本市主催の意見交換会にて、地域の合意なしに廃止はしない想いをしっかり受け止めると地域に示したことから、私個人としては廃止から方針転換すると思っていました。まず先のまあその答弁の中で今後も一緒に考えたいっていうことだったり、また合意がなければ何も決められないということではない、一定の利用があってこそという話もありましたが、市長の考えとしては先の意見交換会で部長が言われた、それは市の主催で市側の話として、地域の合意なしに廃止はしないということに対しては、そういうことではないという認識だということなんでしょうか。お聞かせください。

稚内市

お答えさせていただきます。それそのものは私はそばに行って聞いているわけではありませんから、正確な説明はできないと思いますけれども、私どもの市政運営の姿勢といたしまして、声が大きければそれを受けるとかあるいはそれ以外のことではなくて、むしろしっかりといろんなご意見を交換するなかでもって、できれば双方が納得し合いたい、それができなくてもやはり最後は民主主義のルールでもってしっかり物事を進めていきたい、それでなければモラルの低下にただつながるだけです。そういう思いできっと部長も話してくれたと思っておりますが、残念ながら今お話したように、そばにいませんのでそのニュアンスについては必ずしも正確に把握しているという具合には言えません。

千葉一幸議員

難しいことではないと思うんですが、この地域の合意なしに廃止はしないっていうようなこと、それはそのニュアンスの問題、そこにいるからそのニュアンスが分かるとか分からないとか、そういう問題では私はないと思うんです。で市長としてさっき、合意がなければ何も決められないっていう話やその何も決められないということではないという認識ということは、部長が地域に示した考えと市長の考えは違うっていうことなんでしょうかね。私が違うようにしか聞こえないんですけども、そこをお聞かせいただきたいと思います。

稚内市

お答えさせていただきます。あの何度も繰り返しますけど私はそこにいないんで、ニュアンスをはっきり正確に把握しているかどうかってのは自信がありませんけれども、私はそのような報告を受けて今のようなお話をさせていただいております。

千葉一幸議員

最後にしますあの6月の定例会で再質問の際に、市長は私が入って解決するならやぶさかではないという話がありました。今後は何らか市長としては何か活動をすることを決めていることはあるのかどうか、最後にお聞かせいただきたいと思います