もみじの研究ノート

駅名標の奥深い世界へようこそ。

JR北海道 旧車内自動放送の思い出

大人気の俊夫おじさん

現在、JR北海道の車内自動放送といえば大橋俊夫さん。車内放送としては珍しい男性による落ち着いたアナウンスが大変好評で、JR北海道が公式に取り上げるほど人気となっています。

web.archive.org

音鉄の幸運、今消えちゃったんですかこれ!残念すぎる!大橋俊夫さんがスペシャルゲストとして登場し、「この先、揺れることがありますので、お気をつけください」「そこに何か落ちてますよ」などなど、いや〜また見たいですね。

ちなみによく言われる「俊夫おじさん」とは、かつて運行されていた臨時特急「旭山動物園号」の車内放送が由来です。この列車は子供向けにとても工夫された車内自動放送が行われ、その中で「この列車のガイド役 俊夫おじさん」として登場していました。

 

昔は女性だった

さて、そんなJR北海道の自動放送ですが、やはり私の中には藤純子さんの放送も捨てがたいよなぁ〜〜という思いがあります。私のJR北海道の原風景は長谷由子さんの駅放送と、モジャくんステッカー&「 次 は 札 幌 」の新型車両731系と、そして加藤純子さんの車内放送。この3つなんですよね。

youtu.be

かつての自動放送を収録されている方がいます。これは大変ありがたいことで、心から感謝します。ちょっと文字起こしして見ていきましょう。そして、私の思い出を今覚えているうちにたくさん書いていこうと思います。

 

小樽停車中

ご案内いたします。江別行き区間快速 いしかりライナーです。手稲まで、各駅に止まります。手稲を、出ますと、途中、琴似、札幌、大麻、野幌に、止まります。

「この列車は」がなく、いきなり「江別行き」と始まります。この記憶は鮮明に覚えていて思い出深いですね。そして種別が北海道らしく、行き先の後にきます。

6両編成で、全て自由席、車内は禁煙です。

これ!これこれこれこれ!!旧放送の象徴はこれだと思っています。今もだいたい同じことを言っていますが、JR北海道といえばこれというイメージは未だに拭えません。昔は3両ばかりだったので、3両編成で〜をいつも聞いていましたね。

お客様にお願いいたします。席を離れる際は、貴重品や手回り品に、ご注意ください。車内で不審物を発見された場合は、すぐに車掌までお知らせください。

ここはあまり思い入れはありません。「手回り品にご注意ください」「車掌まで」と少しずつ異なるのが分かります。個人的には現放送の「貴重品や手回り品に」と大橋俊夫さん初期の「すぐに車掌まで」が大好きです。

この列車には、優先席がありますので、座席を必要とされるお客様に、席をお譲りください。携帯電話をお持ちのお客様。優先席付近では、電源をお切りください。それ以外の場所では、マナーモードに設定の上、通話はおやめください。

お客様。今でも特急ではこんな感じの言い回しがされますが、昔は普通列車でもこうでした。懐かしい〜〜〜

小樽発車後

この先、ポイント通過のため、揺れることがありますので、お立ちのお客様は、お気を付けください。また、走行中、止むを得ず、急ブレーキを使用することがありますので、お立ちの際は、お近くのつり革や手すりなどにおつかまりください。

この辺は記憶から抜け落ちています。

今日も、JR北海道をご利用くださいまして、ありがとうございます。江別行き、区間快速 いしかりライナーです。手稲まで、各駅に止まります。手稲を、出ますと、途中、琴似、札幌、大麻、野幌に、止まります。

6両編成で、全て自由席、車内は禁煙です。

やっぱりね、江別行き、区間快速 いしかりライナーです。なんですよ。これしか勝たん。

くず物入れは、各車両に、トイレは、1両目、後ろ側、4両目、後ろ側にあります。

出ましたくず物入れ〜〜!今でも特急列車など一部には残っていますが、昔は普通列車にもあったんですよね。大橋俊夫さん初期放送にも残っていたはずで、そちらも好きです。トイレってこんな言い回ししてたんですね。記憶から抜け落ちています。

お客様にお願いいたします。この列車には、優先席がありますので、座席を必要とされるお客様に、席をお譲りください。携帯電話をお持ちのお客様。優先席付近では、電源をお切りください。それ以外の場所では、マナーモードに設定の上、通話はおやめください。

まもなく、南小樽南小樽、お出口は、右側です。お降りの際は、足元にお気をつけください。

こんな感じで放送が続きます。いや、文だけ見れば今とそう変わらないのですが、あの頃のJRと今のJRはまるで別物のようにも感じますし、いや、同じでもある、不思議な感覚です。

手稲到着前

まもなく、手稲手稲です。

この列車は、江別行き、区間快速 いしかりライナーです。手稲を、出ますと、途中、琴似、札幌、大麻、野幌に、止まります。

手稲発車後

この先、ポイント通過のため、揺れることがありますので、お立ちのお客様は、お気を付けください。また、走行中、止むを得ず、急ブレーキを使用することがありますので、お立ちの際は、お近くのつり革や手すりなどにおつかまりください。

今日も、JR北海道をご利用くださいまして、ありがとうございます。江別行き、区間快速 いしかりライナーです。途中、琴似、札幌、大麻、野幌に、止まります。

6両編成で、全て自由席、車内は禁煙です。くず物入れは、各車両に、トイレは、1両目、後ろ側、4両目、後ろ側にあります。

お客様にお願いいたします。この列車には、優先席がありますので、座席を必要とされるお客様に、席をお譲りください。携帯電話をお持ちのお客様。優先席付近では、電源をお切りください。それ以外の場所では、マナーモードに設定の上、通話はおやめください。

途中、お降りの際は、足元に、お気をつけください。次は、琴似に、止まります。

既出の文が続く中、最後に「途中」とはいってきました。いや〜なんとなく覚えてるんですよ。途中お降りの際は、って言ってましたね確かに。

琴似到着前

まもなく、琴似、琴似、お出口は、右側です。琴似を、出ますと、次は、札幌に、止まります。

句点多くてすみませんね。自動放送パーツの専門家になるとどうしてもこう聞こえちゃうんです。出ますと〜って言ってましたね。

琴似発車後

次は、札幌に止まります。千歳線学園都市線市営地下鉄南北線東豊線をご利用のお客様は、お乗り換えです。お降りのお客様は、お忘れ物のないよう、お支度ください

札幌到着です。市営地下鉄と言っているんですね。そしてこのお支度ください。これが印象に残っています。これはお支度したくなるお支度です。

この列車は、江別行き、区間快速 いしかりライナーです。途中、札幌、大麻、野幌に、止まります。

札幌到着前

この先、ポイント通過のため、揺れることがありますので、お立ちのお客様は、お気を付けください。札幌、札幌です。お降りの際は、足元に、お気をつけください。特に、小さなお子様をお連れのお客様は、お子様の手を離さずに、お降りください。今日も、JR北海道をご利用くださいまして、ありがとうございます。

札幌、札幌です。とかは全く覚えていないんですけど、このお子様の手を離さずにのところの抑揚はよ〜く覚えています。札幌といえばお子様の手を離さずになんですよ。いや意味わかりませんね。今も同じようなことは言っていますが、印象は全く異なります。最後「ます。」にするところが今も昔も大好きです。まだ列車の運転は終わっていませんからね。

札幌停車中

ご案内いたします。江別行き、区間快速 いしかりライナーです。途中、大麻、野幌に、止まります。

6両編成で、全て自由席、車内は禁煙です。

お客様にお願いいたします。席を離れる際は、貴重品や手回り品に、ご注意ください。車内で不審物を発見された場合は、すぐに車掌までお知らせください。

この列車には、優先席がありますので、座席を必要とされるお客様に、席をお譲りください。携帯電話をお持ちのお客様。優先席付近では、電源をお切りください。それ以外の場所では、マナーモードに設定の上、通話はおやめください。

そんなこんなが詰まった札幌停車中放送な訳です。この後は基本同じですので、最後に終着の放送を見て終わりとしましょう。

野幌発車後

次は、終着、江別です。お忘れ物のないよう、お支度ください。

江別到着前

この先、ポイント通過のため、揺れることがありますので、お立ちのお客様は、お気を付けください。終着、江別、江別です。お降りの際は、足元に、お気をつけください。特に、小さなお子様をお連れのお客様は、お子様の手を離さずに、お降りください。今日も、JR北海道をご利用くださいまして、ありがとうございました。

あまり終着まで乗るということがなかったので、あまり馴染みはありません。執着という表現。江別のイントネーションがおかしく感じますが、こっちの方が伝統的なのでしょうか。

 

変えられてしまった旧放送

この放送が変えられてしまった要因はネガティブなものです。女性の高い声がうるさかったからです。

いやそんな理由ある??って感じなんですけども、まあ確かに自動放送は落ち着いていた方がいいですし、現在の特急列車の中国語放送(オホーツク以外)に関してはそう思わないでもありません。ともかく、車内放送に対して苦情が相次ぎ、JRは当初音量を下げるなどの対応を取ったようです。そして2007年10月、担当声優が男性に変更されました。以下に参考になるリンクを掲載します。

私が初めて大橋俊夫さんの放送を聞いたのは札幌駅停車中の731系の放送だったと思いますが、「え、今までの女の人はどこへ???」みたいな困惑した気持ちでしたね。いやこれもいいんだけど、今までの人は???と。上のリンクの「賛否両論」という表現は確かにその通りだっただろうと思います。実際私の中でも当時は賛否両論の状態でした。今でこそ北海道を象徴する放送になっていますけれど。

 

放送収録はできても、放送のある日常は取り戻せない

感想としてはやはりこれが大きいですね。旧放送がある日常に戻りたくてたまらないのですが、それは無理です。まぁ731系の貸切列車でもやればできるかもしれませんけど。その放送がある日常を楽しむ。それに尽きます。放送は密着してそのものだけを聞くだけが本来の姿ではないので、今駅で流れる放送を、都会の雑踏の中で聴くとか、ディーゼル音の中で聴くとか、あらゆる楽しみ方をしておきたいですね。

もちろん現在の大橋俊夫さんの放送も大好きなので。これからも追い続けていきたいです。JR北海道が「音鉄の幸運」を作るほど、自動放送の人気を認識しているということが、何よりもありがたいことです。