もみじの研究ノート

駅名標の奥深い世界へようこそ。

もじ鉄が旅する北海道 1 札幌→富良野 〜駅名標が続々更新!根室線の旅〜

今回は旅行のある1日を「もじ鉄」の視点に特化して振り返ります。「もじ鉄」の視点にこだわった旅行記なんて今までないのでは!?はわかりませんが、とにかく1日を始めていきましょう。どれだけ狂った旅行記かは、1枚目の写真のチョイスを見ればお分かりいただけると思います。なんで自動販売機なんだよ・・・

さて、この日は札幌駅スタート。前半は滝川経由で富良野へ向かいます。

 

札幌→滝川

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札幌駅

旅の始まりは札幌駅です。ちなみに本当は旭川の予定でしたが、バグきっぷなのでお気軽に戻ってきていました。なんかここの自動販売機がいつのまにか変わったような気がして。前は上に「ようこそさっぽろ!」とクラーク博士の写真が貼ってありませんでしたっけ。それかコカコーラの広告か。広告がないとこんなにおでこがスッキリするものなんですね。いきなりもじ鉄ではないような気がするんですが、まぁ好きに書いていきます。

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特急ライラックの側面表示

フルカラー化されて久しいライラックの表示です。北海道では唯一の種別と行き先を別に表示できるタイプではないかと言われていて、先日急遽運行された岩見沢旭川行きの臨時特急で「臨時 旭川」が出たらしいです。昔は「臨時青森」「普通上磯」が出たとか出ないとか。こっちに来てからはカムイがたまーに出る程度ですね。そもそもいつも故障するのこっちの方なので。色々な意味で485系いしかりの歴史を繰り返しています。

実はこれ、2日ぶり2回目の乗車。今回は自由席です。

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ライラック車内

たぶん721系の初期車はこんな感じだったんだと思います。北海道は今も昔もビビットなデザインが好きですね。261-5000もそうなりかけましたが踏みとどまって、落ち着いたデザインが採用されました。個人的には、うーん落ち着いた方が好きかな。デンマークデザインはそれはそれで大好きですけど。最近はモケットのカムイ化が始まっていますが、このタイプもまだまだしぶとく残っています。

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美唄

2回目の車窓なので、飽きはしませんがまぁのんびりと眺めます。美唄駅は建植式駅名標が極めて短い間隔で2枚続く駅として有名です(有名ではない)ここで、ん?となる光景を発見。「び」の周辺がなんかはがれかけています。そして濁点の一部が剥がれて完全に消えています。なんだこれは。

・・・この日焼けタイプの駅名標、端の方を見ればわかりますが、近年はしばしばパリパリになっていたり、はがれかけていることが多いです。剥がれが進むと文字が消えてしまうんですね。新たな知見を得ました。

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豊沼駅

豊沼駅は、JR北海道で最も駅名標が「雑」な駅といっても良いかと思います。何がって、高さが異常に低いのです。一体なぜというレベル。しかも傾いてるし、錆びてるし。しかしその駅で、2日前にとんでもない発見をしました。「なんか見たことないレイアウトの駅名標がついている」と。えええええ。まさか豊沼で新デザイン誕生!?今回特急の車内から撮影を試みることにしましょう。

まずは従来のものから。ご覧の通り、人の背丈の半分くらいかという低さです。こんな低さ、雪国ではまず考えられません。

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と よ ぬ ま

あ っ た

まず枠ごと交換され、よく見る普通の枠に更新されています。そして板。ナンバリングの太さがわずかに細く見える他は概ね標準デザインですが、なんですかこの「と よ ぬ ま」は。こんなレイアウトは他では見ません。最近更新された赤平駅でもこんなことはありません。まさかのここで新デザイン爆誕です。新デザインというか、別バージョンね。

 

滝川駅

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滝川駅6・7番線

いい日旅立ちが有名になりすぎた滝川駅。番線標や駅名標は更新されて久しいので、さすがに慣れてきました。昔の写真と比べると、昔は「6」は柱の線路側についていましたが、今は柱の内側に着くようになったという細かい違いがあります。

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2429Dの亡霊

元はホームにあったこの発車標。「のりば」「1」が後付けなのはそのためです。私が最初に乗った時は、この列車は釧路行きでした。それが東鹿越になり、今は富良野です。東鹿越行きの時は2両編成で、富良野で1両を切り離すという2429Dの頃にもあった「イベント」が逆の形で維持されていたのですがそれも終了。東鹿越は廃止方針が決定したと言います。これほど寂しいことはありません。東鹿越が残らなくてどこが残るんでしょうね、北海道の鉄道は。

駅前に出てみましょう。さて、スマイルビルに行こうかな・・・ん?

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滝川駅前・栄通地下歩道

あぁ・・・あの栄通地下歩道が、SEIYU連絡口が。フォロワーさんによると1月時点では通行できていたようで、この数週間での使用中止なのでしょう。かつて滝川駅前には「駅前地下歩道」というのも存在しましたが駅前ロータリー整備の前後で廃止。こちらもすでに歩道橋的役割以外意味のない不気味な空間と化していましたが、これにて全て廃止です。なお反対側の「JRバスターミナル」などが書かれた青い看板はそのまま残っていました。こちら側の「SEIYU連絡口」も残っていると思いますが、確認していません。

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廃墟と廃墟

まだスマイルビルの閉鎖報道から1年経っていないんですね。の割には確実に廃墟臭くなっていました。建物の再利用はしたいと言っていますができることやら。10年後くらいには滝川市が柵をつけてる運命になりそうです。そして今年も雪が多いです本当に。ご苦労様です。

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滝川駅1番線

滝川駅1番線って独特な雰囲気を保っているなぁと、最近になって感じます。そしてここから伸びる路線は「維持したい」とされている路線ですから未来があります。いいですね。「美寄」でもあるこの駅、幌舞までは行かなくなりそうですが美寄は美寄であり続けてくれないと困ります。

富良野方面乗車口」がまた特徴の一つです。本社管内なのに「ワンマンカー」がないのが特徴ですが、よく見るとこの先の各駅も同じ表記です。滝川〜釧路間だけワンマン化が早かったんでしたっけ。この辺はちょっと照らし合わせないとですね。ところでこの看板、「乗車口」を消しかけた跡なんて前からありましたっけ?

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富良野

看板類を撮影する角度はある程度自由なスタンス。この列車のサボは、日本一長い距離→日本一運行時間が長〜〜い→滝川-富良野-東鹿越→富良野というめまぐるしい歴史を持っています。そしてその全てにおいて誤魔化さないサボが取り付けられているのは考えてみるとすごいことですね。さて、それでは富良野へ向かいましょう。

 

滝川→富良野

この区間もなんどもお世話になった区間です。今では札幌から最も近いキハ40天国の一つですね。函館本線と別れてしばらく住宅街をすり抜け、公園を眺めつつ気がつけば田園地帯。他には代え難い車窓の展開です。

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滝川駅

なんといきなり新駅名標が出迎えてくれました。枠ごと更新です。当然ながら照明はなく、2008年にはバリバリ新規設置されていたあの時代は終わってしまったようです。文句なしの標準デザインですね。豊沼とセットで更新したのかもしれません。この地域では他にも奈井江と赤平をセットで更新した疑惑があるなど、離れた駅がセットで更新されやすい傾向にあります(?)更新はこの1枚のみです。

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赤平駅

相変わらずの赤「平」駅。写真がありませんが、駅舎側ホームの滝川寄り駅名標が新型に更新されていた(と思います)そして列車交換。吊り下げ式駅名標がどうなっているかヒヤヒヤでしたが、未更新のままでした。よく生き延びましたね。

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平岸駅

明るさを調整してみたら駅名標の色味がかなり変わってきたので、「撮って出し」を載せます。何かに使いたければ私に一言声をかけてから、各自明るさを調整してくださいまし。
2021年7月11日時点で枠の白塗りが確認された平岸駅の駅名標、同年8月には反対側ホームの板が更新されましたが、こちら側は従来のゴナが残存です。8年前の写真と比べると、板の一部が肌色になる学田のような老朽化が進んでいます。ところで8年前と比べて、2つの駅名標の間隔こんな近かったっけ?という駅がポツポツあるのですが、気のせいでしょうか。

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芦別

おうおうここも更新ですか。この駅名標、昔はロダン細字だったんですよね。もう5年前くらいの時点で隣駅の文字がはがれかけでした。別に日焼けが進んだわけでも錆の色が濃くなったわけでもないのですが交換です。もっと言うと、こんなにホームの外れにある駅名標が交換されただけでも、まるで駅名標照明が続投するような驚きがあります。初田牛駅みたいにもっと真ん中に持ってくるのもアリだと思うんですが。ちなみに予言しておくと、あと10年くらいしたら後ろの「パチンコ」が懐かしく思い出されるのだろうと思います。

芦別駅、ここ以外で更新された駅名標は見つかりませんでした。上芦別も残存。野花南では滝川方面ホーム滝川寄りの駅名標照明が撤去されていた(と記憶しています)

 

富良野駅

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展示される「ふらのベジタ号」

昔はここからが2両になって本番だったのに、今日では終着駅となっている富良野に到着です。いやほんと、ちょっと前まではまだ「快速代行バス」の案内もあったんですよ。現実を感じずにはいられません。2名程度の地元客とともに降車。極めて乗客は少なかったですが、途中利用が多かったのが印象的です。赤平芦別など。

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のりかえ案内板(?)

さて、富良野市の言いたいことを代弁しているJRのポスターが「のりかえ案内板」に貼られているのがシュールですね。これはデザインがちゃんとされています。本部の方で作ったのでしょうか。

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雪に埋まる2・3番線の駅名標

そうです。富良野は2021年に設置が確認された駅名標でも5本の指に入る迷駅名標があります。でもあれ? 埋 ま っ て る ・・・正直これは予想外で、今年は富良野も雪が多いようです。もっというと、こういう時に「フラノスキーエクスプレス」を運転しようとなれば、この部分も完全に除雪をしなければなりません。かかる労力と費用が全然違ってくるんですね。

でもこれ、実は毎年こんなだったりするのでしょうか。そう考えると、1世代前の駅名標がかなり錆付いていた理由もわかります。面倒ですが隣のホームに行きましょう。それにしてもなぜ北海道の駅は観光地ほど階段しかないんでしょう。

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富良野駅の迷駅名標

これが噂の迷駅名標です。2021年4月24日時点で登場。今の所この駅でしか見ません。まず第一に文字が小さい。これで連想するのは、JR北海道初期の隣駅が小さい駅名標です。それがかなり忠実に「再現」されている駅名標にすら感じます。

詳しく見るとフォントは(偽)ゴナ、駅ナンバリングが小さめです。要はあのペラペラ吊り下げ駅名標とよく似たデザインになっているのですね。でもその中では、分岐駅であることも手伝って文字組みは非常に美しいですし、個人的にはこれならどんどん増えてもらって構わない駅名標です。分岐駅ではない場合はちょっとバランス悪くなるかな。でも、ちゃんと組めばゴナは美しいことを感じさせる駅名標です。

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この絶妙な空間

富良野駅ですね。何の疑いもない富良野駅のこの空間ですが、気がつけばだいぶ少なくなってしまいました。かつては白石駅がこんな感じで、倶知安も結構この雰囲気でしたが、白石も苗穂も倶知安もなくなってしまいました。沼ノ端ももうありません。長万部もなくなります。とすると、有人駅でこのような空間がある駅ってもうここくらいなのでは。ホームがなく「地平」なのが珍しいですね。

もじ鉄的には、改札口より「観光案内所」の方が大きな看板なのが面白いところです。ちなみに改札口は電照サイン(光るかは不明)で、線路側の「のりば」ポスターはゴナです。昔は「さじてつさん」のもじゃくんがいたんですが、いなくなってしまいましたね。道内各地に細々と残っていたもじゃくんはここ最近名前不明のシマエナガちゃんに急速に役割が移っています。(あのシマエナガちゃんを登場初期に記録しなかったのほんと失敗だなぁ)

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平和な時間

北京オリンピックのテレビが流れるのんびりした空間です。富良野単のサボはおなじみの「滝川-富良野-東鹿越」に変わりました。部分復旧当時はよく用意したなこんなサボって感じでしたが、すっかり年季が入っています。うーん「サッポロビール」の赤いアクセントが欲しいなぁと思ったり思わなかったり。でもこの塗りつぶし駅名標、意外と慣れますよね。慣れません?

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富良野駅から一番近い観光名所

富良野駅に来たのはそんなに久しぶりではないのですが、このトイレを訪問していなかったので訪問します。富良野駅のトイレは以前は相当に汚いというか臭かったそうで、いすみ鉄道社長ブログで話題にされたらしいです。それをJRが単独で改修したのか富良野市の補助が入ったのかは資料が得られませんでしたが、2017年6月にリニューアル。「お手洗」のサインはJR北海道テイストですが、透明のアクリルという他には見ない珍しいものです。中は写真を撮りませんが、巨大なピクトグラムが印象に残ります。「トイレご案内」の触地図案内板はヒラギノ角ゴシックですね。函館線の大中山駅でもヒラギノだった記憶があり、ブームなのでしょうか?

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愛される JRふらの駅

さて、観光地富良野でなぜかトイレが、しかも平然と出てくるというあまりにも狂ったこの旅行記。一応定番ネタにも触れておきましょうか。富良野駅前の国鉄駅名標は問題なく残存。「ぬのべ」の廃止が濃厚になりました。「がくでん」もいつまで残ることやら。両駅の廃止が決定したら「のかなん」を剥がし、どこか気軽に見れる博物館にでも保存してほしいなと思うところですね。「のかなん」綺麗に剥がれますよね??そこだけ心配です。一応写真は撮り、時間がないのでご飯を食べに行きますよ。今回の旅、ご飯はちゃんと食べることが多いです。

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ルールルルー

私ふらのマルシェはファンでして、今回もそこで車内で食べる用の何かを買えばいいかなぁと思ってもいたんですが、以前友人に教えてもらったカレーの有名店が空いていたので、オムカレーを食べることにしました。個人的にオムカレーっていうのはもっとお子様向けカレーみたいな旗の載ったアレのイメージがあるのですが、この店のカレーは大人でした。そしてライスが少ないんですね。オムカレーってこんなに「オム」なのか!と。大変美味しかったです。ごちそうさまでした。列車の時間が迫っているので焦りながら食べましたが、これも列車旅ですね。いや、もうちょっと落ち着いて食べたかったです。時間にゆとりがあるとは贅沢なことです。裏を返せば「暇」ではあるんですけど。

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富良野駅

富良野駅の魅力は、駅前から山が見えることです。駅の正面からスキー場が望めるのはなかなかないことで、こちら側からも山が見えます。ところで、一つ先の交差点が横型なのは何なのでしょう。これはLED交換前から横型だった可能性が高いです。歩道橋でもあったのかという。北海道、たま〜にこういう謎の横型信号に出会うことがあります。

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富良野線へ!

さて、それでは富良野線の旅です。富良野線といえばラベンダーのキハ150。このラベンダー色、後継はでなさそうですし他区間転属で徐々に標準色化もあり得ない話ではありません。ともかく、原点富良野を走る富良野線はこの数年間が潮時なのではないかと感じています。どちらかというと「インスタグラム」的存在で、オタクには好かれない傾向にある富良野線ですが、よく見れば観光地あり、仮乗降場テイストの駅もあり、利用状況も良好な北海道を凝縮したようなローカル線なんですね。そろそろ追いかけないとかもしれません。ラベンダーの時期にもちゃんと訪れたさがあります。

長くなったので、続きは次回です。