もみじの研究ノート

駅名標の奥深い世界へようこそ。

札幌圏の記録的な大雪と私の旅行

記録的な大雪

いやぁ、想定外でしたね。って感じです。「万能」だと思っていた札幌が、災害の中心地になりました。首都直下型。さすがに札幌に何日も近づけない事態になるとは想定していませんよ。はい。

さて、このとき私は北海道半分を一周する旅行をしていました。冬の北海道旅なんて計画通りに進まないだろう、と思っていた私は、当日動いている列車を元に計画を立てる、ということをずっとやっていました。これは意外と功を奏しました。しかし、試練は旅の後半から始まるのです。

 

私の旅程

ここでは「当日」と表現する2022年2月6日の旅程は次のようになっていました。

「釧路にいる。今夜の宿は函館。特急を乗り継いで函館へ向かいたい」

本来釧路から函館を1日で、なんて私には考えられない移動です。しかしあの「バグきっぷ」ですから、たまにはいつもやらない無謀な移動もやってみようじゃないかと思ったのです。ちなみに目的地の函館は早々から決めていて、この日は釧路でなく帯広くらいにいるはずでした。しかし流氷物語号の車両変更により、流氷物語1号・2号に乗りたくなりました。それには旭川の始発でも間に合わないため、北見に泊まる必要がありました。これで旅程は1日分押され、目論みは崩壊。バグ移動をしなければならない結果になっていたのです。

 

前日夜

もう記憶が霞んでいますが、前日2/5から札幌圏は大変なことになっていました。琴似で2時間50分遅れ。手稲でのポイント不転換だったようですが、通常数十分で終わるはずのポイント不転換がいつまで長引いているのかという話です。

現地の写真を見ると理解できました。これは大変だわ。

 

当日

当日朝。これはまあ「名物」ですね。ほしみ〜小樽間の運休も、まあたまにあることです。

当日朝は東釧路にいました。宿(ポテトのないポテト専門店)に入ったのが23時近かったので、少なくとも出発は7時以降。釧路駅に着くのは8時をすぎるでしょう。前日すでに真っ暗だった釧路市街地の観光もしたい。釧路8:21発の特急おおぞらは無理だろうと思っていました。そのあとのおおぞらはこの6号。283系に乗ろうとするとこれが最後ですから、乗るほかありません。が、ピンポイントで運休かぁ。この時点では、「朝の札幌の混乱により、車両を出せなかったのだろう。その次からは運転されるだろう、と普通に考えていました。その後も出せないようではとっくに終日運休が決まっているはずですから。

ちょうどこのとき、おおぞら4号に乗車するフォロワーさんを見かけ、私と2時間差だなぁと思いつつ、10時11分発帯広行き普通列車に乗ることにしました。もちろん、函館へ行く前提で。

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快晴の釧路市街(なお釧路町

バスで釧路駅へ。前日釧路の終バス20時!?早すぎ!となっていましたが、朝はちょうどよくいいのが来てくれました。中央バス小樽の人の放送で、次は〇〇、〇〇「です」がくしろバスの特徴ですね。久々に思い出して懐かしかったです。同時に思い出の霧多布行きはもう廃止になってしまったらしいことを思い出しました。

釧路駅には運休表示が出ることを忘れていて、最初見たとき、おお!!これが噂の!!と驚きました。さらには黄色の運休表示はかなり珍しいようです。確かに次の日などは、運休は赤色で出ていました。なんだったのでしょう?

札幌駅の電光掲示板真っ黒は名物ですよ〜と、宣伝してたりもしてました。この程度だったはずなんです。この時は。

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帯広行きワンマン列車

なんか幕が苗穂っぽいな?と思いつつ乗車。横の54が「普通」と出しているのもいいですね。旭川ではもう見られませんから。

この辺から怪しくなってきました。さっきのピンポイント運休ではなく、今日の目的地函館へ行く特急が、午後を含めてどんどん怪しくなってきたのです。

これでもう察しました。平和で立ち往生なんて聞いたことがないんですよ。普段降らない札幌がなんでこんなことになってるんだ、と半信半疑でもありました。ただ、計画運休をしなかったJRが、まるで国鉄のように限界まで動いたんだ、ということはよくわかります。

この時点で、いやこれもう、南千歳までも行けないな、という予感はしました。

これもまた聞いたことがない案内です。

「改札口封鎖」というのが過去例がないと思うんですよ。その後ツイートした通り、「今までも札幌駅発着列車の運転見合わせは年に1回2回あったけど、事前に予告されていた。今回のようにズルズル運転見合わせに持ち込まれたのは記憶にない。」んです。あぁ、これは異常事態だなと。

さて、函館の宿は取っています。この度唯一事前に取った宿です。宿泊したい。ってところで朝釧路にいること自体がハイリスクでしたね。はい。でも、中央バスの高速バスですら一部が動かないレベルです。札幌市内線もダメです。これは現実的に行けないなと感じ、止むを得ず宿泊をキャンセル。次の長時間停車で電話しようと思いました。

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池田駅で長時間停車

幸いホテルのキャンセル料は無料でした。さて、それでは今夜の宿を探し直さなくてはなりません。石勝線が閉ざされた中で行けるのは旭川くらいです。でも先日2日間も行ったばかりなのでパス。普通列車だけの富良野に泊まるのは「弱い」のではないかと判断し、快活派な私もホテルに泊まってみたさがあったので、帯広のホテルということに。そう、帯広では40が引退するんです。それをじっくり見られるいい機会だと捉えたんですね。本来の旅程でパパッと見て函館に行くのはもったいなかったかもしれないですね。

その後私は、帯広の長崎屋を見て、幕別、札内、池田、十弗の駅巡り。千歳からやってきた特急とかちを見送り、あとは疲れを取るためホテルへ。

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私が見た最後の営業特急列車となった、千歳からの特急とかち

これが最後とはさすがに思ってないので、写真は適当にしか撮ってません。

正直こんな感じではありました。で、札幌が災害級の大雪であることが、いまいち伝わってこなかったですよね。この理由はいろいろありますが、旅行中で落ち着いて報道を見ることができなかったこと、数日前に石北線などの豪雪地帯を訪れていたこと。加えて、北海道の低温の中であまりスマホを駆使できないのも大きな理由でした。動画など負荷のかかる閲覧をしたくなかったんですよね。

レア列車云々ではなくこう思いました、はい。「困る」ので。石勝線に使用する特急列車は札幌を拠点に運行しているので、その札幌が災害級にやられると使用する車両がなくなることは、頭ではわかっていますけど。

でもこの写真を見た後はちょっと考えが変わりました。踏切の路面がガチガチに固められているのです。あの硬い路面を割るのには労力がいると容易に想像できます。下手すると札幌中の踏切がこうなっているのです。これはどうしようもないし、これは下手すると2〜3日運転見合わせになる。札幌入りはもう諦めざるを得ないと感じました。

 

帯広→千歳

帯広に宿泊した翌日は2月7日です。私はすでに、2月8日17:00発の、新千歳空港からの飛行機を取っていました。LCCで、払い戻しができません。それを見越して1日間の余裕を作っていました。というわけで今日と明日でなんとか千歳に行かなければならない。これが私の絶対条件でした。ちなみにこの時点で帯広は快晴です。千歳も、札幌ほどの大雪となったわけではありません。吹雪で遭難する危険性は低いのです。ただ単に列車が動いていない状況。そしてあるとすれば、高速道路の渋滞(あまりありませんでしたが)移動の安全性に問題はないと判断していました。だからこそ、千歳への移動を強行する方針でした。

さて、石勝線が動かない帯広で、千歳に行くには様々な手段が思い浮かびます。

まずは岩見沢に行ければ良いのでは?と思いました。今回岩見沢は大雪ではないからです。(今思うとこれは甘かったですね。札幌圏に除雪人員が取られていて、滝川〜岩見沢間が満足に運行されていなかったです)

そして以下のような移動方法が想定できます。

いずれも常識人が考える移動方法ではないのが笑いどころでしょうか。ただ、これはいずれも「岩苫線が運行している」ことが条件です。栗山ならまだバスでどうにかなりますけど。

頭の片隅にはこういうのも浮かびますよ。何より移動としてスリルがあって楽しいですからね。ただ、費用がかかりすぎる。静内から鵡川がジェイ・アールバスで繋がっていれば、もっというと日高線で繋がっていれば、十分選択肢だったかもしれません。鉄路が繋がっている重要性って、要はこういうことなんですよ。そのために毎日維持するかって話ではありますけど。でも上の「東鹿越」という選択肢がある程度常識的なものとして考えられるのも、それがJRによって運行されている、という点は大きいですし。ノースライナーもありますけど、3往復だからなぁ。

ちなみにこの検討の中で高速バスが出てこないのは、あまりにあっさりしすぎていて面白くないからです。最終手段です。

 

翌日

翌日はですね、先ほどもちょろっと話したように、低温の中でスマホを駆使した影響で、スマホが起動不能になるなど、情報収集ができなくなる事態が発生しかけました。幸い復旧しましたが、もう余計な負荷をかけていられない状況になりました。さすがは十勝、朝晩は-10℃以下の冷え込みでしたよ。

まず無理だろうと踏んでいた通り、朝から札幌圏は運休です。私は旭川を目指すこととしました。

加えて、どさくさに紛れて岩苫がお亡くなりになりました。加えて、夕鉄バスがまさかのホームページを活用し、栗山〜新さっぽろ間の運休を知ります。どちらも明日動けばいいのですが、これで私が考えていたアレコレも雲行きが怪しくなっています。

スマホがダメなので、駅員に聞くしかありません。(スマホが使えても最新情報は駅員に聞くしかないけど)結果として当時HPには載っていなかった「明日も運転再開目処は立たず 手稲新千歳空港間を優先」という情報を得ることができました。

その際、旭川までの運行状況も念のため聞いておきました。念のためですよ。まあ平常通りですよという答えが返ってくると思ったんです。そしたら、意外な答えが。

富良野まではいけると思うけど、滝川からが無理かもしれない。滝川で止まるか富良野で止まるかわかんないねハハハ」

最後の「ハハハ」は私が敢えて入れました。どうにも、こんな時に(こんな切符で)こんなルートで帯広〜旭川を移動するなんて頭おかしいでしょ、みたいな雰囲気を感じざるを得なかったからです。いやまあそうなんですけど、東鹿越なんて普通の旅行者は通らないところですけど、でもこの6日間周遊パスを発売しているのもJR北海道ですよね?と、なんかそんな感じになりました。

加えて、この時「大雪だ」などの情報を特に聞いていない滝川・富良野エリアでなぜ「止まるかもしれない」という答えをされたのか強く疑問に思いました。現地の天気を見ても、曇り、または弱い雪くらいしか降らなさそうです。一体なぜ。謎でしかありません。そりゃあ予測できない雪というのも降りますけど。そして帯広駅員の予言はのちに的中することになります。

ともかく、最終的には「次のこの新得行きに乗ってくださいね」とは丁寧に案内してもらったので、そうすることに。駅員さんも錯綜する運休情報と長蛇の列に対応するのは大変なのはわかりますから、情報を聞くだけです。特急が帯広〜釧路で走らないんですか?と聞いている人も実際にいましたが、無理な要望をしてもどうにもなりませんから。

本当はその後の快速狩勝の亡霊に乗りたい気持ちが強かったですが、リスクを考え1本前倒しです。

とりあえずご飯です。この時の豚丼はありがたかったですよ。ひとときのホッとする時間というと大げさですが。

次の新得発まで時間があるので、西帯広・柏林台を巡り、新得へ。

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新得駅(2022年2月7日)

新得一日散歩きっぷの東端、道東への玄関口ですね。代行バス、普通、代行バス、普通。特急が一切ない珍しい光景です。さて、私は16:21発の代行バスに乗りますよ。乗り継ぎOK。

一応この後の運行状況も聞いておきます。一応です。駅につくたびに駅員に尋ねるの、私だって面倒と感じますが、念のため。

「え〜次の東鹿越行き110便は運休になってますね」

ん?????

ひゃくじゅう便とは。あ〜代行バス列車番号かな。いやでも今も発車標に表示されてるよ。何時どこ発だ?→新得16:21発。は?????

もっと聞くと、つい30分ほど前に決まりまして、とのこと。東鹿越からは動いているんですか?と聞くと、東鹿越までがダメなので、それに合わせてこちらもダメ、とのこと。富良野線は動いている。滝川〜富良野間もダメ。理由は雪とは言ってるけど詳細不明。そのようなことが判明しました。運休列車の一覧を見せていただけませんか、と聞くと、「ない」とのこと。でも、ホームページに出てますよ、と最後に言われたので見てみました。

いやまあ、出てますけどね。いやでも概況にこんなこと書いてなかったですよ。この日も特急列車の運休情報に大量の列車が羅列され、さらに滝川〜富良野間も道東エリアというよくわからん区分け、これを見つけろというのはいくら何でも酷な話ではないかと。ちなみに、代行バスの運休は一切記載がありませんでした。手入力なんだろうなと理解しました。

ツイッターを漁るとこんな情報も。新得駅では得られなかった情報です。

ツイッターを真面目に漁ってみると、こんな情報も出てきました。なんか岩見沢旭川間が相当に間引き運転されています。これは意味がよくわからなかったですね。いやまぁ間引き運行すると色々な意味で「楽」になりますから、まぁなんか事情があったのだろうとは思います。

で、JRが運休をすること自体は許せるんです。札幌圏の除雪作業が相当に大変そうなのはこの時点でも画像が回ってきていましたから、除雪が大変なのは重々承知です。ただその際、「車両や人員が手配できないため運休する」「大雪による立ち往生等の輸送障害が見込まれるためではない」ことを明確に言ってくれないと、「滝川や富良野が代替交通で行くのも危険な大雪になっているのか」の判断ができないんです。気象情報も見ましたが、曇り時々雪です。判断しかねます。こういう時、列車の運休を判断する人がどのような判断で運休させたのか、解説がほしいんですね。

「昨日からの札幌圏において集中的な大雪により除雪作業を継続して行うため以下の列車に運休が発生いたします」

これは翌日の張り紙です。この言い回しだと、「根室線の運休をしないと札幌圏の除雪作業を継続して行えない」と取れます。従来根室線に回す予定だった除雪車両と人員を札幌圏に回しているため、線路の状態が保証されないため運休なのだということが推測されますが、本当のところはわかりません。

今回の旅最大の疑問はここですね。なぜ新得富良野が繋がらなかったのか。本当の理由が見えないんです。そもそも私が旭川に行っても千歳にたどり着けない頭の悪い判断ではなかったかというのは置いておいて。

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代行バスの案内が消された発車標(新得駅

駅員さんと相談している間に、いつのまにか代行バスの表示は消えていました。40404040というこれまた見たことのない並びです。

なお新得駅の駅員さんはとても親切でした。ありがとうございます。

さて、これではもう帯広へ戻るほかありません。(旭川行きノースライナーはありましたが、そこまで課金して旭川に行く理由はありません)しかし帯広には私の旅の生命線である快活クラブが存在しません。ホテルに2泊するつもりはないので、別のネットカフェを探します。私は実は快活クラブ以外のネットカフェを利用したことが一切なく、そしてその快活クラブはネットカフェでも特に居心地が良いとされています。今夜の寝床は一体どんな場所なんだという不安がよぎります。

とりあえず帯広に行って、これは最終手段の高速バスの予約だなと思いました。新千歳空港からの脱出手段が、「千歳・苫小牧への市内線と帯広行きミルキーライナー」くらいしかないという話題はこの日の午前に得ていたので、はぁ〜最終手段かぁ〜と思いつつ。そもそも帯広と新千歳空港を結ぶバスが問題なく運行しているという運行情報を得たのもこのツイートからです。そのくらい高速バスの運行情報は弱い。そして予約が埋まっていたらどうしようもありません。目の前にいるのは引退間近の40なのに、楽しんでいる暇はすっかりなくなってしまいました。

とかちミルキーライナーというのは、2008年4月に運行を開始したバスらしいです。へぇ。私は予約制高速バスは趣味としていないので、とても新鮮です。あとは空いているかどうか、そして高速道路が混んでいるかいないかです(私は高速道路は初心者なので、全く混雑に関する情報は持ち合わせていません)

いや〜それにしてもあっさりした最終手段だなとは感じました。乗るの1本だけですもん。何本も乗り継いだほうが圧倒的に私らしいところ、実につまらない選択肢だなぁと思いますが、致し方ありません。ちなみに飛行機のキャンセル料とミルキーライナーの運賃がほぼ同額だったため、旅行の継続も検討しましたが、関西に帰ってからの予定もあるため断念しました。逆にいうと、新千歳空港行きが走ってるのは便利で安心だけど、自分はそんな簡単な手段は選んだら負けだみたいな考え方をしているんですね。ほう。

この突然の運休という経験は私にとってもトラウマになり、新得で告げられたからなんとかなったけど、そのほかの駅でなったらどうなるんだよ・・・という不安に襲われました。結果として深夜に運転される新得発池田行き快速狩勝には心の余裕がなくなり乗車できなくなりました。この日は結局芽室行きを1往復、常に列車がそばにある状態で駅を訪問し、早めに終了することに。

 

翌々日

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つながるって、しあわせだ!

とは思いましたが、本当は札幌に帰りたかったですし、友人と会う予定もありました。そして高速バスは本当の最終手段として考えていたので、負けたな、という感覚もあり。でもともかくスイスイと進んでくれて、予定通りの飛行機に乗れたことはありがたかったですね。

 

旅の感想

札幌圏では今も運転見合わせが続いていて、除雪作業も続いています。

批判も多いこのツイートに私が共感するのは、実際に不安を抱えたからです。私の前後で不安を抱えている人を見たからです。ああこういう時って、家のない旅行者は弱い立場に置かれるんだなということも感じてしまいました。

私は除雪作業の懸命な努力に理解を示すことが難しいタイプの人だと思います。確かにそれはそうなんですが、でも鉄道というのは毎日当たり前に運行しているもので、災害の時でも運行が元に戻るまでは、裏方として黙々と作業しているのが良いと思っています。積極的に情報を開示してほしいとは言っていますが、PDFでガチギレされるとちょっと印象が悪くなります。(利用者のガチギレに対してJRも逆ギレするこの状況。除雪に関してはJRも等しく被害者であり、全部雪のせいなのでそれはそうなのですが、ここにこそ報道機関というのが必要なのかもしれません)「医療従事者が頑張っているから、外出を自粛しよう」という風潮は最初はありましたが、徐々になくなっていきました。「除雪作業員が頑張っているから、移動を我慢しよう」というのも同じだと思うんです。それとこれとはちょっと別なのです。こっちも困っているのですから。こんな時に北海道に来るのが悪い?でも、6日間連続で、途中に間を空けて移動を自粛することが許されないパスを売って、大々的に宣伝しているのもJR北海道なのです。でも今回は、そんなことも言っていられない大災害なのだと自分に言い聞かせています。

ちなみに似たような経験として、胆振東部地震での大規模停電があります。あの時は別に北電を責めることなど全くしようとも思いませんでした。大災害でしたし、それ以前も以後も、電気がつくと言う当たり前はちゃんと当たり前ですし。対してJR北海道は圧倒的に遅れ運休で困ることが多いんですよ。「こんなに度々運休されたのではたまらない」いやまぁ遅れ運休を趣味としているんでアレなんですけど、困った経験も少なくありません。やはりその辺の差が出ているのかもしれないなと感じます。

なんか我ながら、実に最もなことを言っているなと思います。今回感じた不安も、大体は「この日までに新千歳空港まで辿り着かなければならない」という焦りからです。いやぁ、余裕を持って1日24時間ゆとりをもたせたんですけど、それでも甘かったかもしれませんね。でも余裕を2日間も取るとかなってくると、どんどん北海道を楽しむハードルが高くなっていきます。

いや〜北海道の厳しさを感じる旅になってしまいました。ローカル線の限界、自分のローカル線趣味への限界、人間の雪への限界などなど様々なことを感じる旅でもありました。でも魅力は尽きない北海道です。HOKKAIDO LOVE! は今もその通りだと思っていますし、また訪れるし、北海道と共に生きていくでしょう。

試される大地。色々な意味で北海道に似合った言葉です。その先の、道へ。で過去のフレーズになってしまいましたが、私も北海道に試されるなぁと。記憶に残る旅でしょう。今回もありがとうございました、北海道。