もみじの研究ノート

駅名標の奥深い世界へようこそ。

札幌市営地下鉄のサイン 3 南北線麻生延伸時のサイン

お久しぶりです。ブログのテーマがあっちへ行ったりこっちへ行ったりとバラバラですみません。今回は札幌市営地下鉄のサインを取り上げます。

 

東西線より新しいのに古く見える!?

東西線開業の2年後の1978年3月、南北線北24条~麻生間が延伸されました。北34条・麻生の両駅は従来の南北線の駅に比べてコンコースが広く、全体的に東西線の駅に似た作りとなりました。駅名標のサイズは南北線東西線南北線延伸部と大型化されました。今回は、そんな南北線が延伸したころのサインについてです。

なお今回、記事中にあまり写真が登場しません。後日追加していくつもりです。また、今回は当時のことがはっきりしない部分が多いため、推測の部分もあります。参考程度に見ていただければと思います。また、何か情報をお持ちの方は教えていただければ幸いです。

 

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南北線 さっぽろ駅(2017年3月)

「地下鉄のりば」サインです。麻生延伸に合わせて交換したものと思われます。手書きフォントのような古めかしいフォントです。2017年に新しいものに更新され、撤去されました。

 

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南北線 北34条駅(2017年3月)

北34条駅改札口上のサインです。延伸当時に設置されたものと思われます。現在、麻生方面のみ「麻生→」の表記があることが特徴です。真駒内方面にはありません。構造が同じ東西線菊水、西18丁目、円山公園にも同型のサインがありますが、どこも開業時からのものではありません。

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南北線 さっぽろ駅(2017年3月)

さっぽろ駅ののりばサイン。麻生延伸に合わせて交換したものと思われます。手書きフォントのような古めかしいフォントです。

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麻生駅1番ホーム、北34条駅2番ホームに設置されたサイン。どちらも延伸当時からのものです。他の南北線の駅にも数多く設置されています。こちらのフォントは見出ゴMB31のような、手書きではなさそうなフォントです。

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南北線 麻生駅(2017年3月)

麻生駅ホームの出口サイン。手書きのような古めかしいフォントです。

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南北線 さっぽろ駅(2017年3月)

さっぽろ駅に2017年まで設置されていたサインです。麻生延伸前後に交換されたと思われます。麻生駅、北34条駅でもかつて同型のものが設置されていました。手書きのような古めかしいフォントです。「出口5」の下に下線が入れられているのが特徴です。現在この型の看板はほぼすべて姿を消し、麻生駅に一枚残るのみ(になっているはず)です。

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南北線 さっぽろ駅(2017年9月)

先ほど紹介した「地下鉄のりば」サインの裏側。昔は「伊藤ビル・拓銀駅前支店」と書かれていましたが、シールで隠されていました。2017年に新しいものに更新されました。

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南北線 北34条駅(2017年3月)

この駅は帯広駅のような方面別改札となっているため、両ホームをつなぐ通路があります。手書きのような古めかしいフォントです。

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東西線 円山公園駅(2017年3月)

東西線でこのタイプが設置されている駅はここだけかと思われます。この出入り口はターミナルハイツ円山と直結していて、それ故に旧型サインが今も残っています。この建物は1977年1月築と、東西線開業より1年ほど遅くなっています。そのためこのタイプのサインが設置されたものと思われます。 

ちなみに同じような例として、大通駅には1979年5月竣工の「新大通ビル」に、この型のサインが設置されています。

開業間もないころの様子

2022年9月追記

こちらは開業間もないころの麻生駅。たしかに古めかしいフォントの「地下鉄のりば」が確認できます。改札機上のサインはなぜかオレンジ色です。なんで??? また、階段部分には「矢印に従って昇降願います」がサイン中央に記されていますね。「次の発車は」は行灯式の可変表示であると思われ、真駒内駅にも同じものが設置されていたようです。しかし、んん?その後ろにある「さっぽろ 大通 真駒内方面」のサイン、妙に東西線開業時タイプのような反射をしています。これだけもしかして東西線開業時タイプか?? そしてその後ろにある十字サインは、2番ホーム側のみ文字が光っています。確かこの十字サイン、看板によってフォントが違います。今はちょっと思い出せませんが、とても気になります。

これまた衝撃的な写真です。ここでも謎に「麻生方面のりば」「精算機」のサインがオレンジ色です。東西線だと思った(?)

なお、「麻生方面のりば」の文字は今も同じものが見られます、と言いたいところですが、「改札口」が同じフォントで追加されていますね。色については、アクリルの中にある色が付いたフィルムを、オレンジから緑に交換し、アクリルはそのまま再利用した、といった感じなのだろうと推測します。

精算機のフォントやレイアウトは今と同じなんでしょうか。そしてさらに後ろの出口表示。これは変わらなさそうな気がします。「矢印に従って昇降願います」の看板もちらっと見えますね。

設置時期と設置駅

円山公園駅のものは1977年に設置されたと思われます。北34条駅、麻生駅では、南北線が麻生駅まで延伸された1978年に設置されました。また、このころ南北線の全駅で開業時の白地サインからこのタイプの黒地サインに交換されたと思われますが、いつ行われたのかははっきりとはわかりません。特に大通駅などは2年前の1976年に東西線が開業しており、どのタイミングでどのサインが変わったのかがわかりません。

このタイプのサインは、南北線のほぼすべての駅に設置・または交換されました。東西線には円山公園駅以外にはないはずです。

このサインの特徴

東西線の駅では横長の筐体が中心であったものの、このタイプは縦の長さが長く、正方形に近い比率の筐体が多いです。番線標の方面表記は2行で表記されているほか、「きっぷうりば」「出口」など、2行で表記する必要のないものまで縦の長さが長いです。おそらく南北線の他の駅と雰囲気を合わせるためにこのような形となったと思われます。ちなみに筐体の角が丸くなっているものは南北線開業当初からのもの、角ばっているものは麻生延伸のころに設置されたものです。

また、フォントもとっぽいゴシックのような「手書きのような古めかしいフォント」と「見出ゴMB31のようなフォント」の2種類があります。結果として、東西線より新しい駅で東西線より古めかしいサインが見られるという現象が起こっています。これについては正直不明です。見出ゴMB31のタイプも、延伸初日の写真に写っており、延伸初日から両者が混在していたと考えられます。

 

このサインの現状

現在も南北線のほぼすべての駅で、このタイプのサインは1枚は残っています。しかし、近年行われたサインのステッカー化により、多くのサインが姿を出さなくなりました。平岸駅のように新しいものに交換された駅もあります。

しかしさっぽろ駅や大通駅にも残り、番線標はほとんどの駅でまだまだ活躍を続けています。

東西線より設置時期が新しいのに、手書きフォントのような古めかしい看板が残っているのも魅力です。南北線に乗る際はぜひ探してみてはいかがでしょうか。