もみじの研究ノート

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抜海駅廃止に関する市議会の議論 1

抜海駅廃止に関する市議会の議論

宗谷本線抜海駅の廃止について、稚内市議会で議論が行われています。今回はそのうち、志政会 千葉一幸 議員の質問を文字起こししたうえで、全文を掲載します。以下の動画から作成したものです。

youtu.be

議事録がホームページ上に見当たらなかったため、文字起こしを行いました。かなり時間がかかるため、この方以外の質問内容は後日時間のある時に行います。(こちらに書きました)この方の内容だけでも、稚内市の基本的な考え方は分かるのではないかと思います。抜海駅のTwitter上での存廃議論の参考などにお役立てください。赤字は私が重要だと思ったところに勝手に引いたものです。誤字脱字等が多いと思います。重大な誤りがあれば教えてください。(また、このページに議事録が載ってるよという方は教えていただければ幸いです)

 

質問内容

千葉一幸議員

4項目目 JR抜海駅の存続について質問いたします。抜海駅は1924年大正13年)6月25日開業の最北の無人駅。木造駅舎として全国の鉄道ファンや観光目的地としてまたは映画ドラマのロケ地として宗谷線にとって重要な駅舎であり自主的に管理されてある駅ノートにも多くの言葉が寄せられ関心の高さが伺えます。私は抜海駅が宗谷線の利用促進に本市のランドマークとしても非常に重要な駅舎であること、かけがいのない駅であるとの認識であります。本市は抜海駅の存在価値をどのように考えているのか見解をお聞かせください。JR北海道が昨年12月極端にご利用の少ない無人駅の維持管理について、自治体に駅の維持費を負担するか廃止するか判断を報告するよう要請してきました。宗谷線における対象駅は29駅。そのうち協議中の本件を含めると13駅が廃止方針との報道がなされています。存続のポイントは通学もしくは観光であります。名寄市は列車通学する可能性があることを理由に1日平均乗車人員が0人の日進駅の存続を判断しています。和寒町は小説の舞台として有名な塩狩駅の存続について観光資源であり宗谷線全体の魅力としても重要な役割と存続の意向であります。3駅存続を決めた音威子府村は、無人駅をなくすことが宗谷線存続につながるかどうか、動向を見極めたいと存続の意向であります。本市は JRの提案に協力する、宗谷線を残すために廃止はやむを得ないとの報道でありますが、JRの要請は廃止もしくは自治体が維持費を負担することの2択であります。本誌の廃止方針に至った経過をお聞かせください。廃止後に高校生通学にスクールバスの相乗り案を示し、下校用に1便増やすとのことであります。駅を維持する場合は年間約125万円、下校用1便増便分費用が132万円との報道ですが、通学だけではない地域住民の公共交通の役割をどのように考えているのかお聞かせください。

参議院憲法審査会の日本国憲法に関する調査報告書では憲法の精神が地域住民により地域のことが決められという原則を尊重と公表され、総合戦略政権評価特別委員会では地方公共団体はその住民の意思に基づき、身近な公共的事務について処理すると住民自治の概念が示されています。廃止方針に対して抜海町内会では、今後の通学利用があること、駅利用の観光客と地域の存在意義を理解いただきたいこと、利用している方はバス転換は望んでいない、駅を残して欲しいと思いを確認しています。1月の説明会に町内全戸が参加した、クトネベツ町内会では、免許返納後の方が利用予定あること、清掃や花を植えたり駅周辺の定例を行ってきていること、観光に対し有効に活用してほしいことと、思いを確認してきています駅は地域の歴史とともにある、両町内会は駅の存続を願っています。本市は地域住民への理解が得られていないことから、一定期間の協議を要するが方針は廃止と協議会へ回答しています。住民自治から見てプロセスは適正であるのか、本市の見解をお聞かせください。観光資源としてどれだけのポテンシャルが抜海駅にあるのか、根室市花咲線を守ろうと2018年にふるさと納税を活用したクラウドファンディングを実施しています。183日の期間にて達成率が901.8%、約3億円の寄付が全国から寄せられました。クラウドファンディングを実施し、駅がどれだけの存在価値があるのか、調査研究にも資することを地域公共交通の役割が果たせているのか確認にもなります。また本市のふるさと納税の寄付金項目に宗谷線の維持存続を図るための事業を追加するなど存続に向けた具体策具体策を展開することが必要と考えますが、本市の見解をお聞かせください。以上4項目について質問いたしました。市長の意のある答弁を求めまして私の質問といたします。

 

工藤市長

次に JR抜海駅の存続についてのお尋ねであります。お話の通り昨年12月 JR北海道からの廃止要請に端を発したJR抜海駅の存廃でありますが、いくつかご質問がございました。一括してご答弁をさせていただきますが、決して私ども、あのー何もなくてとにかく廃止だ廃止だという具合に騒いでるわけでは、決してありません。抜海駅はご承知の通り本市に4つある JR駅のうちの1つであって、普通列車が1日中上下合わせて7便停車し、乗車人員は JR北海道による調査でありますが、過去5年間の1日平均の利用者数が1.4人と極端に利用の少ない無人駅であるとこれは事実であります。経営の合理化、効率化を進めるJR北海道にとって、今回ご指摘の通り廃止対象という具合にされたというところであります。

これもまたご承知での通りでありますが駅の所在地は、抜海市街地から約2キロ離れておりまして私どもの受け止め方としては、住民の方々にとっては必ずしも利便性の高い交通機関あるいは交通網のポイントではないという具合に考えているところでもございます。抜海駅を定期的に利用されている方としては、地域からの聞き取りでは、現在市内高校への通学での利用が起きており、また不定期で通院のために利用されている方がお一人というのが現状で、まぁ若干の動きがあるんだろうと思いますけれども、それで JR北海道による利用の少ない路線の廃止あるいは駅の廃止へのと取り組みというのは何も今回に限った話ではなくて、これまでも、北海道全線区対象に行われておりましてそういう意味では、常に客観的に JR北海道の経営を安定化させるという観点で今いうような利用者数等が、検討されたんだろうという具合に思っております。

我々の受け止め方としては地域公共交通の役割というのは本来そこに住む地域の皆さんの移動の利便性を高めることにあるということだと思っておりますし、先ほども申し上げましたように現状のJR の利用状況では地域公共交通の役割を、必ずしも満足に果たしていないという具合に言わざるを得ないし、我々も客観的にはそういうふうに理解しております。当然地域住民の足を確保するということが我々にとってもっとも大事なことでありますから、現に今申し上げましたように JRを利用する高校への通学生をはじめ、地域の皆さんが生活をしていく上で将来にわたって必要な交通手段を確保していくことこれがもっとも我々にとって求められていることだろうという具合に考えて検討した結果、ご指摘の通り新聞紙上にも掲載されておりますように地域には別の交通手段を提案したところであります。特に高校生につきましては、高校の下校時間に配慮して現在運行しているスクールバスを1便増便するなど有効に活用することで、より利便性を向上させご家族のご負担も軽減できる、そんな提案だと我々はそう考えているところであります。また先月改正地域公共交通活性化再生法が成立をし、自治体などが自家用車で住民を運ぶ乗り合いタクシーなどのサービスについて、今後は住民だけでなく観光客の輸送も可能となりますのでその導入の可能性についても検討を進め、住民生活そしてお話の観光などさまざまな観点で地域とともに考え、地域の公共交通の在り方についてこれからも提案していきたいという具合に考えております。

ご質問の中に住民自治に関するお尋ねがございましたが、当然われわれは今後も引き続き地域の方々と、今のような話を含めてですね、協議を続けていかなければならないとそれはもう当たり前の話であります。また維持管理費をクラウドファンディングなどで賄うという考え方が示されておりましたけれども、先ほど来御答弁しております通りこの問題はわれわれにとっては、将来にわたって地域住民の利便性を安定的に確保する、それが最優先の課題なんだという具合に今でもそのように考えておりますのでご理解を賜ればと。

以上至誠会千葉一幸議員のご質問にお答えをさせていただきました。

 

千葉一幸議員

4項目目の JR抜海駅について再質問をいたします。答弁ではその駅が市街地から2キロ離れてまぁいて、まぁ利便性が高くないんだと、地域公共交通としての役割を果たしていない将来にわたって必要な交通手段を確保することを最優先に検討し、別の交通手段の転換と判断したということであります。あの市内の高校生通学においてはですね、2キロっていうことがじゃあ遠いのかって稚内高校だ大谷高校に通う子ども達が自転車通学をしているわけですが、私は2キロはそんな不便ではないんだろうって思ったりするところもあるんですが、まずこの民意を吸い上げ政策の方向性を決めるのは政治家、また市長の役割であるとまた言われているところでありますが、この判断は民意が反映されていると考えているところでしょうか。市長の考えを聞かせてください。

 

工藤市長

えーお聞きになっている点について明確な答えになるか分かりませんけれども、私どもは民意がすべてだという具合には理解しておらないんで、その課題について何が問題で、将来にわたってどうしなければいいいけないか、それがこの街の住んでいる方々にとって、どうなのかという観点でご提案もしますし、意見交換もします。すべて民意がすべてであるという具合には考えておりません。

 

千葉一幸議員

ありがとうございます。民意がすべてではないということなんだと。常にこの市民の目線に立ち、わがまちの魅力が強みを存分に活かし、さらに磨き上げ次の世代に引き継いでいくために全力を尽くすことを約束する。凡庸な教師はただしゃべる。少しマシな教師は理解させようとする。優れた教師は自らやってみせる。何よりも本当に優れた教師は生徒の心に火をつける。昨年市長の所信表明の言葉であります。現在の本市は地域に理解いただけるよう説明していくとのことですが、地域住民を持って交通手段を転換する判断とのことであります。地域住民は利便性を求めているんでしょうか。私が言い切れることは、両町内会は駅の存続を求めています。本市の判断が受け入れられるとは思いません。地域の方々と協議は続けていくと答弁されましたが、地域が何をどのように求め政治判断が必要なのか、えー市長自らが市民の声を直接聞き、次回の協議の場に出向く、市民の目線に立ち街の魅力は強みを生かすこと、私は必要だと思いますが市長考えをお聞かせください。

 

工藤市長

お答えをさせていただきます。あのーもちろん私どもは民主主義の社会の中に来ておりますから、いろんな方にいろんな意見があってそれを戦わせながら、最も良い道を選んでいくというのはこれは民主主義における、ある意味政治なのか行政何かわかりませんけども、それが当たり前の進め方なんだという具合に思ってもおります。いかにも私が何かご利用しをしているように聞こえてくるのでありますが我々ときた先ほど来お話をしているように我々の考え方としてはこういうご提案をしたい、それについて良いこともあれば悪いこともあるんだと。もちろん地域の方にも様々な思いがあってそれを色々聞いて最終的にはどこかで判断をしなければならないし、どんな判断をしたところで、ここに何らかの形でもって議決という行為を求めるとすれば今度は議会が決めることになります。

ですから決して私はあのー、既定の路線をどこかにひいてそれにただ邁進して物事を決めようなんて言うつもりは毛頭ありません。ただ未来を、まあ見るか見ないかそれは別にしても本当にこれからの10年20年、よく言うようにこの町もどんどんどんどん人口の減少が進んでいく、その現実をしっかり見極めながら一緒に協議していきましょう、一緒の目線でもさっき市民の目線と言いましたが、目線はまさにそういうところにあるんであって、私は決して今の進め方がごり押しだったりあるいは権威的であったりという具合には思っておりません。私どもが得ている情報をしっかりと客観的にご説明させていただきます。以上です。

 

千葉一幸議員

あの市長、地域に出向いていただけるかということだったと思うんですが、あのー、抜海駅2024年で抜海駅は開業から100周年であります。あの今鉄路は、その乗って残そう利用促進ということではなく呼んで残そうっていうのが、鉄路維持の原理原則でもあるわけです。でそこの部分でJR九州嘉例川駅は100周年を開業を祝したことを機にですね、またJR九州の顔となってございます。山口県のにぎわい鉄道、ああー錦川鉄道にある清流みはらし駅はですね、その活性化のまた前例でもあるわけです。景観を眺望するような、普段では駅ではないところを臨時駅として観光の活性化にもつなげています。また本市が参画している宗谷本線活性化推進協議会の3つの方向性としてはですね、観光交流人口の拡大ということにも触れているわけであります。その部分で、先ほどあの本体でもお話ししましたが、抜海駅はまさにこの地域の歴史とともに本市の歴史でもあるわけです。その部分に対してですね、もうもしこのまま廃止方針を貫くこと、そして廃止方針が地域のためになるんだ、地域の住民のためになるんだということですね、市長の口から直接お話いただき、地域の思いちょっとを確認いただきですね、政治判断を下していただきたい、私はそのような思いです。地域は駅に対してものすごく愛着があります。先日もホームの方にプランターがおいてですね、しっかり愛されていることでありますからその点について最後を確認させて頂ければと思います。

 

工藤市長

お答えをさせていただきますあのーまあなんか、客観的な話で恐縮でありますがまさにこの地域に鉄道が惹かれて、大正11年でありますからどこもみんな100年あるいは100年を過ぎていると、歴史を持っております。したがってわれわれはまずはそういう意味で言うと100年たったこの宗谷本線が本当に残るのかと、こっちも非常に重要な話であるんです。だからって抜海駅を廃止するとかしないとかっていう話ではありません。さっきあの乗って残そうではないんだという、言いましたけど、我々はもちろんそうではありますが、経営のことを考えたら当然収入が上がらなければへいわもっていかないわけですから、そこはどんな思いがあるかもしれませんけれども、我々は抜海駅も残したいし、宗谷線も残したいんだけども、まずはという意味でいえばこれからの活動の中でもって、そりゃ本線をしっかり残すためにどうするのかっていうことは、もっと大きいテーマになるんだろうと、それからあのーもちろん私が行って、物事が解決するんだったら、当然それはやぶさかでありません。ですからそれはどの時期かは別にしても当然行って、お話をすることは当たり前の話だと思っています。ただ1回1回そこへ行って、私が説明してあーだこーだっていう話の進め方ではないだろう、いうことを思っていますのでそこはご理解を賜ればと。

次回に続きます。つづきはこちら