もみじの研究ノート

駅名標の奥深い世界へようこそ。

相次ぐ札幌圏の間引き運転

昨日の新札幌駅

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次の日の計画運休を知らせる液晶ディスプレイ(新札幌駅

昨日の新札幌駅。写真の表示を見て、「全部の列車が運休になるわけではないのは分かるけど、どの列車が運休になるのかが分からないよ」と困っていた乗客の方を見かけました。

その方は次の日の朝に新千歳空港に行く方だったようで、駅員に次の日の快速エアポートの運行についての詳細を尋ねていました。私はこの計画運休に快速エアポート号は含まれていないことはなんとなく知っていたし、運行情報を眺めればなんとなく分かるものですが、駅員は回答に30秒以上戸惑っていました。快速エアポートの停車駅の駅員なんだから、快速エアポートの計画運休は予定されていないことくらいは即答してほしいと思ったものです。

この冬、札幌圏では、このような「間引き運転」が相次いで行われています。

 

間引き運転は輸送障害を未然に防ぐ対策

toyokeizai.net

この「間引き運転」は、大雪対策として多くの鉄道会社が行う対策の一つです。東京などの都市圏では、「雪国と比べて列車の本数が多く、少しの遅れがダイヤの大幅な乱れにつながる」という理由から、降雪時の間引き運転を実施します。(札幌圏も十分多いと思いますが)ニュースでは、「〇〇線では通常の〇割本数を減らして運行」などと報道されます。

JR北海道における冬季の取り組みについて

https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20201203_KO_winter.pdf

JR北海道のプレスリリースでは、「ポイント不転換が多発する場合などは、状況により駅構内の運転する線路を限定し、通常よりも本数を減らして運行します」としています。

この項目自体は以前から記載がありましたが、この対応が実際に行われるのは、今シーズンが初めてという感覚です。私の記憶だと、昨シーズンまで大々的に実施されたことはなかったと思います。

 

間引き運転はどのように行われたか

今年に入ってからの間引き運転は、1月1日、2日、3日、7日、8日、9日、10日、11日に行われています。間引き運転がされていないのは4、5、6日の3日間だけです。

例として、1月1日5時時点の札幌圏の運休列車を示します。JR北海道の過去の運休情報が検索できるサイトを使用させていただきました。

札幌近郊 
函館・千歳線■運休
・小樽 07時11分 発 千歳 行き 普通列車 : 札幌~千歳 間 部分運休
・小樽 10時49分 発 千歳 行き 普通列車 : 全区間運休
・札幌 11時13分 発 千歳 行き 普通列車 : 全区間運休
・札幌 13時38分 発 苫小牧 行き 普通列車 : 全区間運休
・札幌 15時40分 発 千歳 行き 普通列車 : 全区間運休
・小樽 16時18分 発 千歳 行き 普通列車 : 小樽~手稲 間 部分運休
手稲 19時02分 発 千歳 行き 普通列車 : 全区間運休
・千歳 09時07分 発 札幌 行き 普通列車 : 全区間運休
・千歳 12時21分 発 札幌 行き 普通列車 : 全区間運休
・千歳 13時08分 発 手稲 行き 普通列車 : 全区間運休
・苫小牧 15時52分 発 手稲 行き 普通列車 : 全区間運休
・千歳 16時52分 発 手稲 行き 普通列車 : 全区間運休
・千歳 20時47分 発 手稲 行き 普通列車 : 全区間運休
函館線■運休
・小樽 05時39分 発 滝川 行き 普通列車 : 札幌~滝川 間 部分運休
手稲 07時03分 発 江別 行き 普通列車 : 全区間運休
・札幌 07時34分 発 岩見沢 行き 普通列車 : 全区間運休
・札幌 09時37分 発 岩見沢 行き 普通列車 : 全区間運休
・ほしみ 11時02分 発 岩見沢 行き 普通列車 : 全区間運休
・小樽 12時49分 発 江別 行き 普通列車 : 小樽~札幌 間 部分運休
・ほしみ 13時02分 発 岩見沢 行き 普通列車 : 札幌~岩見沢 間 部分運休
・小樽 14時49分 発 江別 行き 普通列車 : 小樽~札幌 間 部分運休
・ほしみ 15時03分 発 岩見沢 行き 普通列車 : 札幌~岩見沢 間 部分運休
手稲 16時13分 発 岩見沢 行き 普通列車 : 全区間運休
・江別 08時03分 発 札幌 行き 普通列車 : 全区間運休
岩見沢 08時28分 発 小樽 行き 普通列車 : 全区間運休
岩見沢 09時14分 発 ほしみ 行き 普通列車 : 全区間運休
岩見沢 10時33分 発 小樽 行き 普通列車 : 全区間運休
岩見沢 12時40分 発 小樽 行き 普通列車 : 全区間運休
岩見沢 14時40分 発 小樽 行き 普通列車 : 全区間運休
岩見沢 17時36分 発 小樽 行き 普通列車岩見沢手稲 間 部分運休 

 そして、1月10日5時時点の運休列車です。元日よりも運休本数が増加しています。

札幌近郊 
函館・千歳線■運休
・小樽 07時11分 発 千歳 行き 普通列車 : 札幌~千歳 間 部分運休
・小樽 10時49分 発 千歳 行き 普通列車 : 全区間運休
・札幌 11時13分 発 千歳 行き 普通列車 : 全区間運休
・札幌 13時38分 発 苫小牧 行き 普通列車 : 全区間運休
・札幌 15時40分 発 千歳 行き 普通列車 : 全区間運休
・小樽 16時18分 発 千歳 行き 普通列車 : 小樽~手稲 間 部分運休
手稲 19時02分 発 千歳 行き 普通列車 : 全区間運休
・千歳 09時07分 発 札幌 行き 普通列車 : 全区間運休
・千歳 12時21分 発 札幌 行き 普通列車 : 全区間運休
・千歳 13時08分 発 手稲 行き 普通列車 : 全区間運休
・苫小牧 15時52分 発 手稲 行き 普通列車 : 全区間運休
・千歳 16時52分 発 手稲 行き 普通列車 : 全区間運休
・千歳 20時47分 発 手稲 行き 普通列車 : 全区間運休
函館線■運休
・小樽 05時39分 発 滝川 行き 普通列車 : 札幌~滝川 間 部分運休
手稲 07時03分 発 江別 行き 普通列車 : 全区間運休
・札幌 07時34分 発 岩見沢 行き 普通列車 : 全区間運休
・小樽 07時46分 発 岩見沢 行き 普通列車 : 江別~岩見沢 間 部分運休
・小樽 07時57分 発 江別 行き 普通列車 : 全区間運休
・小樽 08時53分 発 江別 行き 普通列車 : 全区間運休
・札幌 09時37分 発 岩見沢 行き 普通列車 : 全区間運休
・ほしみ 10時04分 発 岩見沢 行き 普通列車 : 江別~岩見沢 間 部分運休
・ほしみ 11時02分 発 岩見沢 行き 普通列車 : 全区間運休
・ほしみ 12時02分 発 岩見沢 行き 普通列車 : 全区間運休
・小樽 12時49分 発 江別 行き 普通列車 : 小樽~札幌 間 部分運休
・ほしみ 13時02分 発 岩見沢 行き 普通列車 : 札幌~岩見沢 間 部分運休
・札幌 14時37分 発 岩見沢 行き 普通列車 : 全区間運休
・小樽 14時49分 発 江別 行き 普通列車 : 小樽~札幌 間 部分運休
・ほしみ 15時03分 発 岩見沢 行き 普通列車 : 札幌~岩見沢 間 部分運休
手稲 16時13分 発 岩見沢 行き 普通列車 : 全区間運休
・小樽 16時38分 発 岩見沢 行き 普通列車 : 札幌~岩見沢 間 部分運休
・小樽 17時18分 発 岩見沢 行き 普通列車 : 全区間運休
・ほしみ 18時39分 発 岩見沢 行き 普通列車 : 全区間運休
・小樽 20時55分 発 江別 行き 普通列車 : 小樽~手稲 間 部分運休
岩見沢 06時20分 発 小樽 行き 普通列車 : 全区間運休
岩見沢 07時06分 発 小樽 行き 普通列車 : 全区間運休
岩見沢 07時24分 発 小樽 行き 普通列車 : 全区間運休
・江別 08時03分 発 札幌 行き 普通列車 : 全区間運休
岩見沢 08時28分 発 小樽 行き 普通列車 : 全区間運休
岩見沢 09時14分 発 ほしみ 行き 普通列車手稲~ほしみ 間 部分運休
・江別 09時27分 発 手稲 行き 普通列車 : 全区間運休
岩見沢 09時35分 発 小樽 行き 普通列車岩見沢~江別 間 部分運休
・江別 10時15分 発 札幌 行き 普通列車 : 全区間運休
岩見沢 10時33分 発 小樽 行き 普通列車 : 全区間運休
岩見沢 11時40分 発 小樽 行き 普通列車岩見沢~江別 間 部分運休
岩見沢 12時40分 発 小樽 行き 普通列車 : 全区間運休
岩見沢 13時40分 発 小樽 行き 普通列車 : 全区間運休
岩見沢 14時40分 発 小樽 行き 普通列車 : 全区間運休
岩見沢 15時40分 発 小樽 行き 普通列車 : 全区間運休
岩見沢 17時05分 発 ほしみ 行き 普通列車手稲~ほしみ 間 部分運休
岩見沢 17時36分 発 小樽 行き 普通列車岩見沢手稲 間 部分運休
岩見沢 18時38分 発 ほしみ 行き 普通列車岩見沢~札幌 間 部分運休
岩見沢 19時08分 発 小樽 行き 普通列車 : 全区間運休
岩見沢 20時07分 発 札幌 行き 普通列車 : 全区間運休 

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1月9日夜の札幌駅には、写真のような掲示が張り出されていました。このような運休の際、このように時刻表にバツ印を付けたほうが、全体像がつかみやすいですね。

追記:1月13日5時時点での運休列車。岩見沢駅を発着する5本のみ運休を決めています。この日はJR北海道のトップページに「年末から続く降雪により、岩見沢駅構内で除雪作業を実施するため、本日(1/13)一部列車に運休や遅れが発生する場合があります。」と記載がありました。

函館線■運休
手稲 08時19分 発 岩見沢 行き 普通列車 : 江別~岩見沢 間 部分運休
・小樽 13時18分 発 岩見沢 行き 普通列車 : 全区間運休
岩見沢 10時08分 発 小樽 行き 普通列車岩見沢~江別 間 部分運休
岩見沢 11時10分 発 小樽 行き 普通列車手稲~小樽 間 部分運休
岩見沢 15時10分 発 手稲 行き 普通列車 : 全区間運休

 

各駅の案内

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「輸送障害が見込まれるため」と表現する札幌駅西改札口(1月9日)

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「低気圧のため列車運休」と表現する苫小牧駅発車標(1月8日)

JR北海道の運休情報は、各駅ごとに少しずつ内容、表現、詳細度が異なり、これは全国の都市圏の中でも珍しいものです。「国鉄らしい」「昔っぽい」ので私は好きです。しかし、場合によっては詳しく状況を説明する駅がある一方、「先行列車の遅れ」で済ます駅など様々あります。駅によって得られる情報に差があるという問題は、改善の余地があろうかと思います。

ちなみに、今回の間引き運転では、公式ホームページでは「降雪・低温のため」「札幌圏に断続的な降雪が見込まれるため」などとざっくりした表現ですが、駅によっては「輸送障害が見込まれるため」「発達した低気圧の接近により悪天候が見込まれるため」と表現されています。それほど大きな問題はありませんが、公式ホームページの案内はざっくりしすぎな気がします。

また先日、沼ノ端駅にて運休する列車を待っているとみられる乗客を5人ほど見かけました。あのとき、次の札幌方面行きは1時間後でした。無人駅での運休案内には少し問題があるような気がします。稲穂や朝里にあるディスプレイ、うまく使えているでしょうか。気になります。

 

運休する列車

運休区間

札幌圏の運休区間は小樽~岩見沢間、札幌~苫小牧間と広範囲にわたります。すべてが輸送障害を考慮しての運休なのか、車両繰りの都合による運休がどの程度あるのかはよくわかりません。

特殊な運用

また、運休する列車にはいくつか特殊な運用があります。たとえば「小樽5:39発 滝川行き普通列車は、札幌~滝川間は部分運休となりますが、本来は札幌駅で切り離しをして、前側3両が先に滝川へ、後ろ3両は20分後に滝川駅に行く運用です。しかしこの間引き運転では解結作業を行わず、6両とも20分後に滝川に行く列車の運用に就いているようです。

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夜の札幌駅で解結作業を行う珍しい姿(1月9日)

苫小牧18:41発手稲行き普通列車は、通常は3両での運転のところ6両で運転し、途中の札幌で後ろ3両を切り離す運用となっていました。通常は夜間の札幌駅で列車を切り離す運用はないと思われ、とても珍しい光景でした。札幌駅では、札幌駅構内都合の影響により4分ほど遅れて20:03に到着。いったん6両すべての乗客を降ろし(前3両のドアは閉まりませんでした)、5分程度で721系をバックさせて解結。その間に隣のホームから20:07発小樽行き普通列車が発車。その後前側3両が乗車可能となり、20:11ごろ発車。といった感じでした。札幌駅への入線が遅れたため定刻運転時の対応は不明でしたが、所定停車時間の4分での解結作業は難しいと思われ、ダイヤ乱れの原因になるような作業をわざわざ生み出す間引き運転なのか・・・?とちょっと疑問に思いました。ちなみに自動放送は対応していませんでした。「前側3両は、手稲行き、後ろ側3両は、途中の、札幌止まりです」を聞きたかったのですが・・・

また、運休となる苫小牧行き普通列車・苫小牧発の普通列車の1本前の列車の様子を見ていましたが、苫小牧到着後いったん回送線に引き上げ、再度入線という形をとっていて、特に「使用する線路を限定する」減便のようには見えませんでした。小樽・岩見沢などを見ていないので何とも言えませんが、使用する線路を限定しているのかどうか、時間があれば実際に見てみたいです。(たぶん時間はない)

また、き

運休列車に規則性はあるか

さきほどの札幌駅の時刻表を見ると、運休列車は規則性があるのかないのかがよくわからないような雰囲気に感じます。もともとパターンダイヤではないので致し方ない面もあります。そして、ホームページに羅列される運行情報は、一番詳しい運休情報ではあるものの、何がどう運休するのか、全体像がつかみずらいものとなっています。先ほどの、バツ印を付けた時刻表のようなものが欲しいですね。

 列車の間隔があく時間帯

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約50分間隔があく小樽駅

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約2時間間隔があく苫小牧駅

yoshi223さんの発車標シミュレーター(こちら)より。運休をイメージした発車標画面を作ってみました。

今回の運休は手稲行き、千歳行きといった区間列車だけではなく、小樽行き、苫小牧行き、岩見沢行きといった札幌圏の端まで行く列車も多く運休になっています。これは、小樽や岩見沢など、札幌から遠いほど厳しい寒さや大雪になりやすいといった事情があるのだろうと推測します。ただし、小樽や岩見沢、苫小牧はもともと本数が多くない区間であり、1本の運休により列車の間隔が長く開いてしまう事例が起きています。

 

晴れているのに運休

ここからはこの運休を少し批判的に見ていきます。私は現場で働く作業員ではなく、冬季の鉄道の保線技術に特別詳しくもないので、素人的な考えも多いと思います。誤りがある場合はコメントかツイッターでお知らせいただけると幸いです。

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青空が広がる1月8日午後の苫小牧駅。気温は-3℃。

今回の間引き運転では、「晴れているのに運休」ということがとても多いです。もちろん同じ札幌圏でも苫小牧と岩見沢では100cm以上積雪の差がありますし、市内を市電に乗っていても雪の多さに違いがあります。しかし、札幌も千歳も苫小牧も晴れているのに、札幌~千歳間の普通列車が何本も運休になっているのは、理解しがたいことです。

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札幌の天気 - goo天気より


札幌の天気(こちらより)。1月1日は一日中雪が降り、寒さも厳しいですが、それ以外の日は除雪が追い付かないほどではありません。気温は連日二桁になっていますが、極めて異常というわけではないように思いますし、もともと今年は寒い冬になるという予測があったはずです。

ちなみにここでは紹介しませんが、小樽などでは1日中雪という日もありますし、岩見沢は100cmを超える大変な雪の量です。美唄なんかはもっと大変なことになっていますね。こちらの方面は運休も納得してしまう大雪となっています。

 ただ、私がおとといと昨日遭遇したのは、どちらも「晴れているのに運休」でした。

 

北海道の降雪による輸送障害の二大原因

北海道・とくに札幌圏において、東京のように列車がスリップしたり、今の北陸のように列車が雪に埋もれて動けなくなることは比較的少ないと思います。そしてこの間引き運転も、列車が雪で埋もれることを防ぐためではありません。札幌圏での二大原因は、「ポイント不転換」と「制輪子凍結」です。

ポイント不転換

ポイントに雪などが詰まり、動かなくなってしまうトラブル。ロードヒーティングでの処理が追い付かないような降雪の際、ポイントがある主要駅ではどの駅でも発生する可能性があります(あるという個人の印象です。以下省略します) 解消には手作業による除雪が必要なこともあります。数分で解決することもありますが、何度も繰り返し発生することで遅れが増大します。

制輪子凍結

ブレーキ部分が凍結し、ブレーキ解除と列車の発車ができなくなってしまうトラブル。低温の際、列車が長時間停車すると発生しやすくなります。昨年までは、朝の岩見沢駅などで発生し、朝ラッシュ時に大きな影響を及ぼしてきた印象があります。

 

これまでの保線体制ができなくなっているのでは

ここからが私の意見、本題です。今回の「間引き運転」は、その多くが、札幌圏全体で大雪となるというわけではなく、また低温はある程度予測が可能です。ポイント不転換は一時的に発生してもすぐに解消されることがあり、私もそのような小さなトラブルは数多く遭遇してきました。今回もそうであれば、ここまで列車を運休しなくてもよいのではないかと思います。もちろん岩見沢駅は大変な大雪となっていますが、毎年恒例のようなものです。

今回の間引き運転は「降雪による輸送障害が見込まれるため」ですが、大雪でホワイトアウトになり、駅間で立ち往生を防ぐための運休とは少し趣旨が違うと感じています。「危ないと思ったらすぐに列車を止めます」というJR北海道の方針がありますが、確かにそうだけど、でもちょっと違うような、そんな気がしています。

どちらかというと、ポイントの転換やブレーキの解除につながる「列車の運転」を減らし、そのような事象を少しでも少なく抑えたいような、そんなメッセージが伝わってきます。こうすると現場の負担が軽減され、少ない列車に集中的に除雪作業を行うことができます。

なお、1月13日の間引き運転は、目的が明確です。岩見沢駅を発着する列車の一部を運休することで、除雪作業時間を長くとることができます。岩見沢駅は2020年末から大雪が続き、駅構内に大量の雪が残っている状態で、この日以外にも深夜時間帯の列車を運休するなどして集中的な除雪作業を行っています。

先日私が「JR北海道はただの降雪・ただの低温で列車が運休するようになった。体力が落ちてきている」と投稿したのは、これを踏まえてのことです。要するに、冬季にこれまでと同じ本数の列車を運転することが、保線体制の面で困難になってきているのではないかということです。

原因には近年の気象状況が極端になってきていること、毎年札幌圏の運転本数が増加してきたことなど、様々な理由がありそうです。積雪状況を考慮すれば、いまの札幌圏の運転本数はもはや東京を超えるレベルかもしれません。ただし、近年の保線作業員の人材不足というのも大いにあると考えられます。

これまで当たり前だった冬季の列車の運行が、今待つホームが晴れているのにできなくなっている。JR北海道が雪に弱くなった。ちょっと心配です。