こんにちは。もみじばしです。(一時期)サッポロビール駅名標のことが気になりすぎて、夜も眠れておりません(でした) だいぶ重症です。
でも、趣味ってこの、一体どうなるの!?真相は???を色々と考えて自分なりに追求する時間が一番楽しいと思うんですよ。ということで今回も楽しんで書いていこうと思います。
この記事は2本目です。前回の記事はこちら。
やっぱり広告料を払っているのでは
前回の記事で「サッポロビールは広告料を払っていない!」と結論づけましたが、自信のある結論ではありません。矛盾する点もあるからです。
今塗りつぶす必要性がない
6月26日現在、塗りつぶしは徐々に進められ、山線塩谷駅側から始まった塗りつぶしは山線全駅に、そして海線東室蘭あたりにまで及んでいます。
また、6月28日に富良野駅の塗りつぶしが行われ、赤平駅・茂尻駅などでも作業が始まっているようです。追記:ちなみに今回、熱郛駅や落合駅などの境界付近にある駅も同時に作業が行われました。今(追記した7月20日)のところ本社管内から作業が進んでいますが、支社境による厳格な区分けはされていないようです。
長万部駅の駅名標、サッポロビール広告部分が塗りつぶされているものとシールが貼られているものの2種類存在しました。何故…… pic.twitter.com/11dLlakLZi
— 雪(YUKi) (@yuki_HKD) 2021年6月14日
塗りつぶされて真っ白になり、ねじ等も交換されたものがほとんどですが、白色のシールを張ったのみの例が長万部駅で確認されています。
さて、もし「広告費用を払っていない」とすると、この塗りつぶしは何のためなのでしょうか。もし来年札幌圏を中心にビール広告のない駅名標が設置される場合、札幌圏と広告の有無をそろえるためという可能性が考えられます。しかし現在、札幌圏を中心にビール広告は継続されるようです。この時、広告費用を払っていないのに塗りつぶされる意味がよく分かりません。ただただ塗りつぶしにお金がかかるだけで、誰も得をしないどころか、わざわざ塗りつぶすJR北海道の損です。
そもそも、この駅名標広告は設置時に掲出期間が決められていたわけではありません。毎年お金を払っていないなら今後も塗りつぶさず掲出を続けてもいいはずなのです。塗りつぶすだけの何かがあったのです。
勝手には外せないらしい
今回はコレをよく見かけた。ここで言ってる駅名標は2枚目のタイプ。サイズが手頃だからか、複数あるので1つくらいと思うのか、過去にも盗難例が多数。広告が入ってるので、JRの一存で外すのは難しいと聞いたことがある。今回は広告主と話がついたってことか。情けない話ですが… pic.twitter.com/IWWlg5jqaE
— こう (@koh_ekimemo) 2021年2月21日
こんなツイートを見かけました。やはりビール広告は意識している場合があるらしく、むやみに撤去できない=今ある駅名標はしっかりと広告としても機能しているらしいのです。盗難や廃駅によって徐々に減少しながらも、毎年広告費用を払っているのかもしれません。
上富良野駅が本当に更新される!?
今回の本題ともいえる内容です。私は当初上富良野駅の駅名標更新について、「富良野」の間違いなのではと考えていました。また、その時から「上富良野にはサッポロビールの研究施設がある」と気付かれていた方がいましたが、私はその可能性について当初十分に検討しませんでした。
が、まあ一応と思って調べてみると、その研究所は本当に駅の近くにありました。
>北海道の上富良野はサッポロビールで開発したビール大麦とホップの両方が生産されている国内唯一の地域です。
— もみじばし (@momiji_3015) 2021年6月12日
統合報告書 2019 - サッポロホールディングスhttps://t.co/CLB3Mk9xNx pic.twitter.com/F7BXGUvRIK
しかも、サッポロビールの事業紹介として上富良野が大きく紹介されています。国内で唯一ビール大麦とホップの両方が生産されている地域特性を生かし、地域の振興を支援しているとのこと。
ちなみに私はこの事業紹介を読んで、サッポロビールは地域貢献に積極的な企業だなぁと感じました。そう、このサッポロビールの駅名標だって大きな地域貢献です。同社の印象が大変よくなりました。ビールだけじゃなくていろんな事やってるんですね。北海道が好きな者として、元北海道民として大切にしたい、応援したくなる企業です。
で、これは富良野の間違いじゃないわ、絶対に関係あるわ・・・と思ってしまったのです。
JR北海道の富良野駅、ついにサッポロビール看板の撤去が始まりました。
— いたや (@AKAIWA8095D) 2021年6月28日
とはいえ、新しい白看板は既存のサッポロビールの看板をペンキで塗り潰したもの…よく見ると跡が残ってる… pic.twitter.com/Zovp5HV4eP
そして実際に、富良野駅は塗りつぶされました。記事のミスではありませんでした。
そういえば…苗穂駅
上富良野駅でわざわざ駅名標を更新する理由。それは、広告部分を上富良野にある研究施設をPRする広告にリニューアルすることが考えられます。考えてみれば、似たような例がすでに一つあります。苗穂駅です。
ぽく作られた苗穂駅の駅名標 pic.twitter.com/2nAj3Tn9BL
— 駅長 山本留吉 (@Y_Tomekiti) 2018年12月30日
苗穂駅は2019年の橋上化の際、白石駅とは異なり駅名標の新品交換が行われました。佐野書体ではないもののレトロ調の書体となり、広告部分にはこれまで新幹線以外に例を見ない「サッポロビール博物館」をPRする広告が2種類掲出されました。これまでの在来線では「本場の味 サッポロビール」「北海道は サッポロビール」であったため、この広告は「黒ラベル」「クラシック」と共に異例の広告なのです。サッポロビールがその地域独自の広告を掲出する。今回上富良野駅では似たようなことが行われる可能性があるのではと思います。
(ここは完全に憶測なのですが、来年札幌圏の駅名標はガラッと変わり、これまで見慣れたデザインが大きく変わる可能性もゼロではありません。もしそうなり、かつ苗穂のみ更新が行われない場合、これまでの雰囲気を残す駅名標は苗穂のみとなります。苗穂駅は新しいながらも鉄道のまち、ビールのまちとして駅の歴史を活かしている部分があり、この駅名標もその一つにしたくて、あえて旧デザインの復刻をしたのか?なんて。本来は新函館北斗のような新デザインでも良かったのです。)
札幌圏、駅名部分は更新される?されない?
前回、JR北海道は「駅名標のデザインについて、多言語化、ユニバーサルデザイン化を含めたデザインの抜本的な見直しを検討しており、今回の更新に至った」と推測しましたが、上富良野駅の更新が濃厚になったことから、これは誤りの可能性が高くなりました。富良野線で上富良野だけ駅名部分のデザインを変えてもおかしいだけです。というわけで、今回の更新は下部分のみで、上部分は今後もしばらく何も変わらないのではと推測することもできます。
ただし、上富良野と札幌圏が全く同じように更新されるとも限りません。また、北海道新幹線も新デザインになるという表現がされており、いやこれ、野幌とかも変わるの?などと疑問は尽きません。今後の動きに注目です。
小さな駅に縦型駅名標は不要?
車内アナウンスや車内表示器の充実が進んだ昨今、駅名を駅名標で確認する一般利用者がどれだけいるかと言われると、あまりいません。1日何人乗り降りするかわからない小さな駅に高価なホーロー製の駅名標を配置する意味も、あまりありません。30年前と比べて明らかに駅名標の役割は衰退しており、実際緑が丘駅、西留辺蘂駅などの新規開業駅では、縦型駅名標は設置されていません。盗難された駅名標の代替品が設置されたのは、秘境駅として注目を集める問寒別・雄信内のみです。
わらわらと数人が乗車。ビール会社の駅名看板は撤去済み。盗難対策ですがファンとして情けなくなりますね… #アワメモ #上幌延 pic.twitter.com/6Od84ftIk9
— こう (@koh_ekimemo) 2021年2月12日
また、今年3月に廃止された徳満・上幌延・安牛では、廃止を前に盗難防止対策として駅名標が撤去されました。各駅では駅名標部分や駅舎内に「駅名標は撤去した」旨の掲示が貼り付けられ、代替の駅名標に相当する掲示はされませんでした。これは、縦型駅名標はあってもなくてもよい。なくても旅客案内上問題は生じないと考えていると言えます。
そのため、JR北海道では「小さな駅に縦型駅名標はなくてもよい」「今ある駅の縦型駅名標は残すが、今後盗難や老朽化した場合、代替の新しい駅名標は設置しない」という方針があるものと思われます。
一刻も早い返還を!無人駅の縦看板 盗難に遭う - 広報おといねっぷ 2021年6月号https://t.co/f171EVsSlr pic.twitter.com/bKyGXFf6Dk
— もみじばし (@momiji_3015) 2021年6月24日
ところで近日、宗谷線の多くの駅でホーロー駅名標がなくなる事案が発生しました。このうち、咲来・筬島では音威子府村広報紙により盗難があったと伝えられています。このほかにも複数の駅で、駅名標が木の板だけになったり、根こそぎなくなっていたりしています。
このうち抜海駅では駅舎に「JR」を含めて4枚の駅名標が設置されていましたが、先日少なくとも2枚がなくなっていました。この件について、個人的に大変残念なことであったため、情報提供を兼ねて駅施設を維持管理している稚内市に連絡したところ、「盗難事件があることから、JR北海道が一部を除き撤去した」旨の連絡をいただきました。
抜海駅を管理する南稚内駅では、廃止される徳満駅のホーロー駅名標をかなり早い段階から撤去していました。また現在、勇知駅でも一部のホーロー駅名標が見られなくなっており、南稚内駅の判断で撤去が行われたものと思われます。
個人的には、ああ、もう北海道の駅にホーロー駅名標が当たり前に掲出される時代は終わってしまったのかな、と残念に思っています。なんか情けないですね。なんとかならないのでしょうかね・・・
なお他駅については、過去の事例等を踏まえ、JR側・沿線自治体側がすでに状況を把握しているものと考え、このような連絡・問い合わせは行っていません。
【拡散希望】
— 音威子府TOKYO (@Otoineppu_TOKYO) 2021年6月28日
5/21(金)
「筬島駅」「咲来駅」で「駅名標」の盗難が発覚
⭐︎まず、盗ってしまった方は元へ戻してください
鉄道ファンの方へお願い✨
無人駅など管理が厳しい場所がたくさんあります
・お互いに見守りを
・不審者は通報を
・盗品は買わない
価値あるものは正しく未来へ残そう☺︎ pic.twitter.com/F8T7fALegt
現在もオークションでは複数のホーロー駅名標が販売されていますが、怪しいものは購入しない、窃盗犯の応援につながるようなことはしないというのも大事だと思います。
塗りつぶし・残存はファンへの配慮かもしれない
そんな中、今回ビール広告の「塗りつぶし」は大変ありがたいことです。1枚1枚塗りつぶしてねじを交換するより外してしまったほうが作業は簡単と思われる中、今後も残してくれるのですから。個人的には秩父別駅、金山駅、緋牛内駅のようにたくさんの看板が設置されている駅で、広告の役割がなくなった時、果たしてすべての看板が生き残るのかどうか、気になるところです。JR北海道のマニュアル的には、あってもなくてもどちらでもよい看板ですので。
しかし、北永山駅などの小さな駅ではホーロー駅名標がなくなっている駅もあります。もしかしたら駅の規模ごとに方針が異なり、仮乗降場風の駅では撤去される駅が増えるかもしれません。廃線が濃厚な留萌本線などはどうなるでしょうか。少し心配でもあります。今後の動きに注目です。
さて、ここまで色々見てきましたが、結局広告にお金を払っているのかいないのかは、よく分かりません。誰か取材してくれないかなぁ・・・と、今後のメディアの記事を待つことにします。次回北海道に行ったら、札幌圏を中心に色々お葬式しないとなぁと思っています。地方にも残っていれば良いですが、間に合うでしょうか。