もみじの研究ノート

駅名標の奥深い世界へようこそ。

JR北海道の駅名標 2 函館本線 厚別~上幌向間の駅名標

函館本線 厚別~上幌向間の駅名標

標準デザインの次にどの駅名標を紹介するかは非常に迷っていました。せっかくであれば札幌の近くで日常的に見られる駅名標が良いかな・・・と考え、今回は函館本線 厚別~上幌向間の駅名標をご紹介します。

 

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函館本線 大麻駅(2020年2月)

こちらが、函館線厚別~上幌向間に設置されている駅名標です。(この他の駅にも設置されています。詳細は後述します)

 

え? 標準デザインと何が違うのかわからないって??

 

そうですね・・・実は私も1ヶ月ほど前まで、この違いには気づいていませんでした。細かく見ていきましょう。

 

標準デザインとの違い

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上の画像は、今回のデザインと前回の「標準デザイン」の駅名標を再現したものです。左側「おおあさ」が今回紹介するデザインです。

 

1 駅ナンバリングの太さ

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駅ナンバリングの「◯」の太さが、標準デザインよりも細くなっていることがわかります。

 

2 隣駅表示

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標準デザインと比べて、隣駅の表示が端の方へ寄っています。また、「しんりんこうえん」「いなづみこうえん」などの長い駅名の、圧縮のされ方が異なります。標準デザインは隣駅表示のスペースが一定になっているのに対し、このタイプでは駅名によってスペースが異なります。

 

3 駅名の表記

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函館本線 昆布駅(2017年11月)

3文字の駅名を比べると、「標準デザイン」に比べて中央に寄っていることがわかります。また、「あいの里教育大」などの長い名前の駅名の漢字表記を比べた際、「標準デザイン」では長体になっているのに対し、このタイプは正体です。あいの里教育大駅駅名標は、標準タイプより若干バランスが悪いと言えます。

 

4 日焼けしない

標準デザインは日光による色あせが目立ちますが、このタイプの駅名標はそれが全くありません。

 

設置時期と設置駅

設置時期に関しては正確な資料がないため、あくまで推測です。JR北海道に駅ナンバリングが導入された、2007年前後から設置が開始されたものだと思われますが、前回ご紹介した「標準デザイン」と設置された時期が異なるため、このような差が生まれたと考えられます。

 

一つ設置時期の手がかりになるのが、函館本線の比羅夫駅と昆布駅です。両駅は、「ニセコ」表示がシール表示となっています。ニセコ駅は、かつて駅名標のひらがな部分に「にせこ」とひらがなで表記していましたが、2007年11月より後、現在の標準デザインの駅名標が設置された際、「ニセコ」とカタカナで表記されるようになりました。

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ニセコ」がステッカー表示となっている昆布駅の駅名標

比羅夫駅と昆布駅の駅名標は、設置直後は隣駅を「にせこ」と表示していたものの、後にニセコ駅の表記に合わせ「ニセコ」とカタカナ表記に直した、ということが考えられます。そのため、このタイプの駅名標は「標準デザイン」より前に設置されたのではないか、という仮説を立てることができます。

 

フォントは新ゴBHelveticaです。標準デザインと変わりません。また、駅名標中央部の緑色のラインは、「標準デザイン」よりも少し濃い緑色となっているようにも見えます。

 

設置駅は、函館本線の厚別~上幌向間の多くの駅(厚別、森林公園、大麻豊幌幌向上幌向)のほか、銀山、比羅夫、昆布 学園都市線太平~あいの里公園間の全駅に設置されています。かつては苗穂駅にも設置されていました。

また、室蘭本線東室蘭〜大岸間の多くの駅に設置されている駅名標も、これに似たタイプですが、隣駅表示は標準デザインと同じようです。これに関しては別に取り上げようと思います。(この辺の微妙な違いを別に扱うか扱わないかは、私としてもかなり微妙なところで、悩んでいます)

 

以上、函館本線 厚別~上幌向間の駅名標についてでした。