前回の記事に続き、元町・中華街駅のサインを特集します。今回は改札口からホームに入ります。
改札口
改札口です。自立式の発車標が設置されています。方面表記と時計がセットになっています。
みなとみらい線の発車標は大きさが小さい感じが否めませんが、赤瀬達三氏「駅をデザインする」にあった、バブル崩壊によってかけられる費用が限られ、必要最低限の大きさのサインを導入したというのはこのことなのかもしれません。開業当時は全列車渋谷行きみたいなものだったのであまり問題ありませんでしたが、多種多様な列車が走る現在では時代遅れな気は、正直します。
筐体はつり下げサインと同一のデザインとなっています。こだわりが見られます。港町らしいですよね。
改札内から外を見てみます。ここは「中華街・山下公園方面へおいでのお客様」の改札なのですが、「出口」「改札口」と言った表現はなく、「中華街」「山下公園」と言い切る表現が特徴的です。ネット上には半分点灯していたりする写真もありますが、現在はどちらも消灯されています。2枚目、なんの最新作が始まるのか知りませんが、この駅はこんな強烈な広告を貼ることを想定していたのだろうか・・・という感じです。これはこれでいいのかもしれませんが、強烈すぎます。
天井の広い空間にすらっと建つサイン。光ってはくれませんがかっこいい。出口サインには多言語表記が追加されています。みなとみらい線、ちょっと改札口の名称が長ったらしいような気がしますが、「東改札口」よりは直感的に理解できる側面もあり、どちらがいいのかは悩みます。
ホームと改札口をつなぐエスカレーター。この駅の象徴的な空間です。「お手洗」が明らかに灰色ですね。意図的に分けているのかこうなってしまったのか。いずれにせよこの分け方、「きっぷうりば」が光っている様子はとても見栄えが悪いと思いますが・・・
ちなみにこの真っ暗な空間、今見ると明るい空間との対比が魅力的であるものの、子どもの頃はとても怖く嫌いでした。このエスカレーター、上りに乗るとき大人の目線ではゴールの明るい空間が見えるんですけど、子供目線だと全く見えなくて、エスカレーターのステップしか見えない真っ暗な空間なんですよね。このブラックホールのような空間は本当に怖く、わざわざ階段を使ったりしていました。私以外もこう感じるかはわかりませんが、全ての人に優しい駅とは明るい駅が望ましいと思います。
ホーム
ちょうどY500系が入線。ここはいいですね。しかし、サインが光っていないことに最も違和感を覚えるのもここです。やっぱり暗いんですよね。
横浜 渋谷 池袋方面。東急と直通しながら東急と全く異なる簡潔な表現です。自動放送も同じ表現をしていて、こだわってるなぁと思っていました。
発車標とエレベーターサイン。発車標は両のりばが併記されたものが2つ横に並んでいて、なんか勿体無い気もします。エレベーターサインがホーム照明の位置によって著しく照度が異なることがわかります。
駅名標
全て開業当初からのものです。日本語書体はナウ-GM。1枚目はしっかり点灯しているように見えますが、右側は消灯しています。
全て消灯したもの。特別見にくくはありませんが、印象は異なります。
3枚目は10両化の際に設置された非電照のもの。みなとみらい線の延伸部分のホームはかなり適当な印象があり、タイルの大きさもあっていませんし、駅名標もネジが浮き出る仮設のようなものとなっています。
柱用駅名標。日本語と英語が分かれて交互に設置されています。そういえば駅ナンバリング表記がありませんね。
ホーム〜元町・新山下方面出口
総合案内板、的な。側面には「i」の表記があり、この鉄道を象徴する表記の一つだと思います。貴重になりつつある旧デザインの停車駅案内が見られます。音鉄には有名な話ですが、ここの側面からはやや低音質の駅放送が流れます。
ホーム柱に多数設置されていたサイン。開業後の後付けと思われます。ともかく落ち着いた簡潔なサインであることは良いことです。
こちらもホームにあったサイン。写真と色で直感的にわかるようになっています。さらに次のサイン。
元町・新山下側にあったサイン。こちらは新ゴであり、(新ゴは素晴らしいのですが)野良サインです。しかし実際のところ、利用客が求めているサインはこれなのではと感じます。公式サインのような落ち着きがなく、どのようにバランスをとるかかなり苦しむよなぁ・・・と。難しいですね。その点、馬車道駅などの新サインは上手いと思います。
新山下側の階段を上がります。たくさんのサインが設置されていることがよくわかります。
「のりば」の矢印が「斜め右」から訂正されています。まあ確かにそうかなとも思いますが、そのサインはもともとそこにあったものなのか、どこかの吊り下げサインを移設した?とも思ってしまいます。
階段の部分にあるサイン。暗いです。このサインは後ろ側の照明が透けていて、非電照化が行われていないことがわかります。
ところでこのサイン、矢印と文字の間を中心としているように見えますね。このような配置は他には見かけません。
さて、踊り場に出ると、ここからエスカレーターを何度も上がっていくことになります。昔ここは本当に退屈でした。しかし今見ると、駅テーマの「本」が表現されている空間に感じます。
もうこんなの、駅じゃないですよね(褒め言葉)ビルや商業施設のような雰囲気です。ただし、全ての利用者が「まるで駅ではないような魅力的な空間だ!」とは感じていないのも事実かと思われます。実際昔の私はあまり感じていませんでした。
さらに驚いたのが、エレベーターから見えるこの風景。これがデザインされた駅というものか。
これまた普通の鉄道駅では見られないものです。美しいですね。
元町・新山下方面改札口
さて、ようやく改札口にたどり着きました。だんだんと思い出してきましたが、そう、ここは地上なんですよね。この周辺のサインはほとんど照明が点灯していません。
とここで、ん?? 改札口の奥の柱に、観光スポットを案内する緑色のサインが2枚設置されています。緑色のサインはここ以外で見た記憶がありません。なんだこれ・・・
改札の後ろを振り返ると、このような派手なポスターが目立ちます。緊急事態宣言はまあ仕方ないですが、その他のポスターも、まあ現役の駅として仕方のないことなのでしょうかね。ない方がスッキリしているだろうとは思います。
ホーム行階段とエレベーター。非電照化されているように見えますよね。
ホーム行エスカレーター。ロングスカートの巻き込みというのはかなり問題なようで、エスカレーター放送も従来の「ホーム行、下りエスカレーターです」の声優を変更の上、注意喚起放送が行われていました。正直音サイン的には美しさが欠けています。
最後にお手洗も見ておきましょう。手前と奥で色が違うことがはっきりとわかります。ピクトグラムの白黒・カラーの差もありますね。どういうことなんでしょう。
さて、今回のブログでは「元町・中華街駅サイン大全」を目指しましたので、たくさんの写真を用いて紹介しました。これでも駅サイン全体の7割程度だと思いますが、ある程度みなとみらい線初期サインの全貌がつかめると思います。本当は降りる駅全てこのくらい巡りたいんですけど、都会の駅でこれを全てやっていくのは無理があるものです。いや〜駅巡りだけでもこの趣味終わらないなと思いますね。
次回は新高島駅を取り上げます。